飯坂からゲームの頂へ! 「スト6」日本最高峰リーグ初参戦

福島市飯坂町の拠点で腕を磨く翔選手(左)とヤナイ選手。後方は拝田社長

 福島市飯坂町を拠点に活動するプロゲーマーらのチーム「FUKUSHIMA IBUSHIGIN(フクシマ イブシギン)」が、7月開幕予定のeスポーツの公式チームリーグ戦「ストリートファイターリーグ(SFL)」に初めて参戦する。新規参入3チームを含む12チームのうち東北地方からは唯一の参戦で、チームを運営するIT会社アスピロンド(福島市)の拝田遼平社長(34)は「参入最初のシーズンで優勝を目指す」と意気込む。

FUKUSHIMA IBUSHIGINのチームロゴ

 SFLは、ゲーム大手カプコンが発売している大ヒット格闘ゲーム「ストリートファイターシリーズ」を使った日本最高峰のリーグ戦で、2024年が7シーズン目となる。昨シーズンから最新作「ストリートファイター6(スト6)」で大会を開催しており、国内屈指のプロゲーマーらが4人一組でチームを編成して頂点を目指す。イブシギンの4人のメンバーのうち、愛知県出身の翔(かける)選手(26)と郡山市出身のヤナイ選手(24)は、飯坂温泉街の一軒家で拝田社長らと共同生活を送りながら腕を磨いている。

 翔選手は、昨年8月にサウジアラビアで開かれた「スト6」の国際大会で優勝した実力者。「とにかく楽しみ」と開幕を心待ちにし、「試合が長丁場になるので集中力や体力が必要。今は走り込みで体力づくりに励んでいる」と話す。ヤナイ選手も走り込みや筋力トレーニングで体をつくっており、「優勝に貢献できるよう勝率を上げたい」と力を込めた。

 アスピロンドは今月、飯坂温泉にeスポーツを体験できるゲーミングスペース「IBUSHIGIN」を開設するなど、地域貢献の取り組みも推進している。にぎわい創出への期待も高まっており「地元に吉報を届け、飯坂温泉をさらに熱く盛り上げたい」と拝田社長。世界で市場規模が拡大しているeスポーツ。福島の名が世界にとどろく期待が高まっている。(伊藤俊憲)

 4人一組優勝なら世界切符

 SFL2024は、12チームが二つのリーグに分かれて10節を行う。各リーグの上位がプレーオフとグランドファイナルで日本最強の座を争う。SFLの公式ユーチューブチャンネルで生配信される。

 4人一組(1人はリザーブ)で先鋒(せんぽう)戦、中堅戦、大将戦を行い、獲得ポイント数などで順位を決める。ホーム&アウェー方式でアウェー側は事前にオーダーと使用キャラクターを公開するため、オーダーの読み合いなど実力だけではなく戦略も重要となる。国内大会を制すると世界大会に出場できる。

 イブシギンの参戦について、県eスポーツ推進協議会の中河西宏樹代表(41)は「国内でも屈指の注目度があるリーグ戦。選手の実力やチームの組織力を認められ、出場できるようになったこと自体が素晴らしい」と話し「パブリックビューイングなど県内でも新しいeスポーツの文化が根付くきっかけになるのではないか」と期待を込めた。

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