<在日中国人のブログ>円安で覆された海外旅行の常識

日本ではゴールデンウイーク中にホテルの料金が10%値上がりしたが、それでも日本は中国人の海外旅行で最も人気の目的地となった。写真は大阪。

日本のゴールデンウイークが幕を閉じた。ある日本メディアは、観光客が去った後の京都はがらんとした光景になったと報じたが、大阪を見てみると雨が降っても心斎橋を行き来する外国人観光客は相変わらず多い。

私の親友の旅行も大阪でのショッピングで終わった。彼が日本に良い印象を持ったことを願っている。日本ではゴールデンウイーク中にホテルの料金が10%値上がりしたが、それでも日本は中国人の海外旅行で最も人気の目的地となった。私が考える最も主な理由は円安だ。一部ブランド品は中国国内より30%以上も安い。日本を観光してブランド品を何点か購入するというのは本当にお得な旅で、まさにこのために日本では最近、ブランドショップの入り口によく長い列が出来ている。新型コロナウイルスの影響で数年間見なかった在日中国人の代理購入者も再び活気づいてきた。

今、日本を含むメディアは中国経済に問題があると報じている。だが、日本を訪れた同胞が先を争うようにして買い物をする姿は、彼らが将来に対して楽観的、前向きであることを物語っている。

ドルに対して円安が進むのに伴い、私の日本人の友人の旅行スタイルにも変化が生じた。円安の影響を受けないよう、海外に行かずに日本国内の田舎で静かに休日を過ごした人も多い。また、トルコなど以前はそれほど人気の高くなかった国が人気の目的地になった。話によると、円は現地通貨に対して堅調なのだという。

さらにある報道では、海外旅行に行くために日本人観光客が取った食材、飲み物準備という節約対策が伝えられた。計算機は常に持ち歩かれ、それによって買い物の際に為替レートを正確に計算して支出を抑える。

円の大幅下落は海外旅行の常識を覆した。現在の状態が常態になるかどうかは分からない。

■筆者プロフィール:呂 厳

4人家族の長男として文化大革命終了直前の中国江蘇省に生まれる。大学卒業まで日本と全く縁のない生活を過ごす。23歳の時に急な事情で来日し、日本の大学院を出たあと、そのまま日本企業に就職。メインはコンサルティング業だが、さまざまな業者の中国事業展開のコーディネートも行っている。1年のうち半分は中国に滞在するほど、日本と中国を行き来している。興味は映画鑑賞。好きな日本映画は小津安二郎監督の『晩春』、今村昌平監督の『楢山節考』など。

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