【オークス】牝馬三冠馬に勝るとも劣らぬステレンボッシュの実力

桜花賞馬ステレンボッシュ&シックスペンスの秘密|https://youtu.be/yJ3_dm3EmIY

5月12日(日)、テレビ東京で「栄光へ駆ける 日本ダービー&オークス2024」が放送された。

2021年に生まれた3歳馬7906頭の頂点であり、競馬界最高の栄誉である日本ダービーとオークス。

この2つのタイトルを手にするために今年も人馬ともに熱い戦いを繰り広げる。その熾烈な戦いを勝ち抜いて夢の舞台へエントリーしてきた各馬に秘められたエピソードや関係者たちの知られざる想いに迫った。

その中でも今回は桜花賞を制したステレンボッシュを管理する国枝栄調教師に注目。

アパパネ、アーモンドアイという2頭の牝馬三冠馬を手掛けた東の名伯楽が狙うオークス3勝目への想いを語った。

例年以上に混戦と称された一戦だったが、ジョアン・モレイラ騎手の手綱に導かれたステレンボッシュが直線で豪快に突き抜けて快勝。見事に桜の女王となった。

このステレンボッシュを管理している調教師は御年69歳となる国枝栄。

現役調教師として最多タイとなる桜花賞3勝目を記録し、通算勝利数も1074勝(5月5日現在)を誇る国枝は過去にアパパネ、アーモンドアイという2頭の牝馬三冠馬を管理していた東の名伯楽。

そんな国枝に「桜花賞の勝ち方は(アパパネ、アーモンドアイ)と遜色ない。無事にオークスに行ければ、結果はついてくると思う」と言わしめるほど、ステレンボッシュは強い勝ち方を見せてくれた。

桜花賞から3日後、美浦トレーニングセンターに戻ってきたステレンボッシュ。

オークスに向けてトレーニングを積むことになったが、このステレンボッシュを担当している調教助手の田村亮平は「かわいい」と評するステレンボッシュの成長ぶりに目を細めた。

「2歳の頃は『走りたい』という気持ちが前に出ていたけれど、今は『ダメよ』と言うと我慢してくれる。我慢ができる分、ギアを上げるときも自分から上げられるようになった」

現在47歳の田村は千葉県出身。高校時代に競馬と出会ったことをキッカケに21歳の時に美浦トレーニングセンターで厩務員としてホースマンのキャリアをスタート。

ステレンボッシュは26年目にして初めてGⅠタイトルをプレゼントしてくれた1頭となった。「今が人生のピーク」と語る田村はステレンボッシュのオークス制覇に期待を込める。

「オークスは女の子版のダービー。無事にそこまで行ったら夢が一つ叶ったようなものです」

さらに取材当日、桜花賞でステレンボッシュとコンビを組んだモレイラも国枝厩舎を訪問。

桜花賞を制したパートナーをねぎらいに来た形だったが、顔を撫でながら「なんて素敵なんだ、美人さん」と笑顔でステレンボッシュと触れ合った。

調教師、調教助手、そして騎手......多くのホースマンからの愛された桜花賞馬、ステレンボッシュ。オークスを制して、偉大な先輩牝馬たちに続くことはできるだろうか。

■文/福嶌弘

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