メジャー初通過の喜びは謙虚に 久常涼がうなずく終盤のプレー

自身初となるメジャーの週末に進む(撮影/田辺安啓(JJ))

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(17日)◇バルハラGC(ケンタッキー州)◇7609yd(パー71)

久常涼がキャリア2戦目のメジャーで初の予選通過を引き寄せた。初日65位とカットライン上から4バーディ、1ボギーの「68」で通算3アンダー暫定41位。4月「マスターズ」で届かなかった週末の切符を確保した。

「今回はラッキーな部分というか、きのうも風がなくて、きょうも比較的穏やかだった。このウェットな状況は自分が得意なので、雨にだいぶ助けられたなって感じます。とりあえずいいプレーができたのは良かった」と喜びは控えめ。しっかり距離はあるコースながら、開幕前からの雨でソフトな仕上がりとなっているグリーンコンディションがマネジメントを大いに助けてくれたと振り返る。

安定したグリーン上のプレーが通過を支えた(撮影/田辺安啓(JJ))

その中でも、当落線上の選手にとって重圧が増す後半のプレーは評価できるという。「カットラインを見ながらだったので、終盤を“さらっと”全部パーで終われたのは良かった」。ルーキーとして戦うPGAツアーでは、ここまで5度の予選落ち。マスターズを除く4試合は、いずれも1打届かず涙をのんできた。ボーダーラインをクリアする重みは身に染みて分かっている。

今週が大会初参戦だった久常と中島啓太を含め、37人の日本勢が挑戦してきた「全米プロ」。久常と同様に初出場で予選を通過した過去11人で、最上位は2013年大会の松山英樹が記録した19位タイだった。ほとんどが下位に沈んで終わっている。経験が浅い中で予選を通り、なおかつ4日間を通してスコアをまとめる難度は極めて高い。

決勝ラウンドも意気込み過ぎずに(撮影/田辺安啓(JJ))

初めて迎えるメジャーの週末も意気込みは自然体。「自分のゴルフはいい感じでプレーできた。きょうと同じように、しっかりバーディを重ねていけたらと思います」と冷静に話した。

<全米プロ初出場で予選通過した日本勢>
年/順位/スコア/選手名
1994/75T/+18/飯合肇
1996/78T/+9/東聡
1997/23T/+5/丸山茂樹
1997/71T/+15/金子柱憲
2006/55T/+4/谷原秀人
2008/68T/+20/藤田寛之
2009/56T/+8/石川遼
2013/19T/-1/松山英樹
2015/21T/-7/岩田寛
2017/48T/+5/小平智
2023/76/+20/比嘉一貴
2024/41T/-3/久常涼※2日目終了時

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン