ゾンビ相手にテコンドーは有効?T-ARAジヨンの美貌に目が釘付け!『江南ゾンビ』は恋も笑いも詰め込んだ韓国ゾンビ感染パニック

『江南ゾンビ』© 2021 JNC MEDIA GROUP Co. Ltd. All Rights Reserved.

大都市ソウルでゾンビ大量発生!

世界的なゾンビ映画/ドラマブームもやや落ち着いてきた感のある今日このごろ。韓国ではハリウッドに肉薄するクオリティのゾンビ作品が次々と劇場やサブスクに投下されたが、昨年ひっそりと特集上映イベントで日本公開された、T-ARAのジヨンも出演する『江南ゾンビ』(2023年)を紹介したい。

ソウルの中心地、江南地区で働くヒョンソクは、かつてテコンドーの韓国代表の控えとなった実力の持ち主。ある日、会社に半狂乱の男が乱入し、彼に噛まれた人間が次々とゾンビ化していく。ヒョンソクはテコンドーで習得した超高速回し蹴りを武器に、街を占領するゾンビ集団に立ち向かっていくが……。

T-ARAジヨンの美しさに目が釘付け!

タイトル通り、韓国ソウルは江南が主な舞台となる本作。ただし巨大なビルが立ち並ぶ江南エリアでのゾンビ映画撮影はさすがに難しかったのだろう。街中で盛大なロケ撮影をしているわけではなく、オフィスビル内でのパニック状況がメインに描かれる。とはいえ、むじろ閉鎖空間での緊迫感を盛り上げられるのがゾンビ映画の良いところなのだが。

主演の一人、ヒョンソクを演じるチ・イルジュは恋愛ドラマをメインに活躍している注目俳優。市原隼人に横浜流星を少しミックスしたように見えなくもない、硬軟併せ持ったイケメンである。そんなヒョンソクが密かに想いを寄せる同僚のミンジョンを演じるのが、インスタのフォロワー560万人強という凄まじい人気を誇るT-ARAのジヨン。SNSでの美しさはフィルター効果なんかではなく、映画でもそのまんまの浮世離れした美貌なので登場するたびに目が釘付けになってしまう。

ゾンビに格闘技、恋愛や笑いも忘れない詰め込みぶりに拍手

パニック展開に突入する前のドラマパートでは、韓国代表レベルのテコンドー選手だったヒョンソクの強さと、セクハラ・パワハラをスルーできない真っ当な人間性をアピール。さらに、ミンジョンに想いを伝えられない純情ぶりでキュンキュンさせてくるあたり、恋愛ゾンビ映画と言っても差し支えないだろう。

また、韓国ゾンビものはゾンビ化した皆さんの暴れっぷりにも定評があるわけだが、本作でも何かしら爪痕を遺してやろうというゾンビ勢の演技が見もの。感染モノの定番であるダッシュ系ゾンビだけでなく、逆・貞子ウォークを披露する憑依系ゾンビなど、なかなかバラエティ豊かだ。

『君と世界が終わる日に』(2021年~)ではN.Flyingのキム・ジェヒョンがゾンビ相手にテコンドーを披露していたが、本作ではもっと“テコンドー無双”的な迫力で押してくれたら嬉しかったところ。監督は『イルジン 不良たち』シリーズ(2017年ほか)も手がけているのでアクションが不得手というわけではないはずだが、わちゃわちゃした集団ファイトに関しては『ハイロー』や『クローズ』シリーズを擁する日本映画の得意分野なのかもしれない(たんに予算の都合という可能性もあるが)。

ともあれ感染源の究明など重いテーマは避けつつ、ロメロ御大の『ゾンビ』(1978年)や『死霊のえじき』(1985年)よろしく籠城展開もしっかり盛り込み、かつサクッと手堅く楽しめる仕上がりの『江南ゾンビ』。セクハラ野郎がゾンビ化した後も生前のいやらしさをキープしていたり、万事休す!からの“過去作ごっつぁん”な苦笑オチなど、コメディ要素を忘れないのも高ポイントだ。

『江南ゾンビ』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「今月の韓国映画」で2024年5月放送

© ディスカバリー・ジャパン株式会社