ラフ、バンカー、隣接ホールから… 西村優菜が魅せた3つのスーパーセーブ

7番では得意のバンカーショットでピンチをしのいだ(撮影:ALBA)

<ミズホ・アメリカズオープン 2日目◇17日◇リバティ・ナショナルGC(ニュージャージー州)◇6675ヤード・パー72>

西村優菜はニューヨークの地で「楽しみな週末」へ向かう。2日目は5バーディ・2ボギーの「69」をマーク。トータル5アンダー・7位タイで決勝へ進んだ。

好調な出だしだった。長めのパットを流し込んで連続バーディ発進。4番パー3では5メートルをねじ込んだ。「いい流れでゴルフができていた」と前半だけで4バーディ、ボギーはなしという好プレーで折り返した。後半はショットに苦しみ2ボギー(1バーディ)と伸ばせなかったが、「ショットが苦しくなりながらもパッティングで耐えて、全体的には良かった」と笑顔で一日を振り返った。

最近はショットの不調が続いていたが、その解決策も見えてきた。初日にはスイングでトップの位置を意識。“タメ”を作って打ち急がないようにテンポを意識したが、それはきょうもハマったようだ。「それができたときは良い球が出ていた。意識するところはそこでいいのかな」と、ここからは再現性を高めることを目指す。

この日のラウンドを語る上で欠かせないのが、3つのナイスセーブだ。

まずは、5番パー4。ドライバーでの1打目が大きく右に出た。「自信を無くしてしまった」と言うほどのミスショットだ。カート道にボールが止まっていたため、そのさらに右の深いラフにドロップ。そこからアイアンを握り、ピンはバンカー越えという状況で上4メートルにつけた。

逆にティショットが左に出てフェアウェイバンカーにつかまった7番パー4では、2打目もグリーン手前のバンカーに入った。残り40ヤードで、ピンは段の上。「バンカーは好きなので、そんなにネガティブにはならなかったです」とサンドセーブ率ツアーNo.1は1メートルにピタリとつけた。「集中しながら一打一打できた」と振り返る。

そして後半13番パー5でも魅せた。ティショットを左に「すごい曲げてしまった」。2打目からグリーン手前には大きな池が待ち受ける状況で、フェアウェイに戻せば3打目でグリーンを狙えない距離が残る。そこで、横に並ぶ7番を利用する方法を思いついた。「左の7番ティイングエリアに打った。ライは良くないかもしれないけれど、ラフもそんなに長くない。ピンも左奥で難しいルートだったけれど、できました」。3打目を13番グリーンの右まで運ぶと、パターで寄せて“お先”のパー。神セーブで難所を切り抜けた。

チャンスを決め、ピンチをしのいだ一日。後半はショットがブレて「自信を持って振れたホールはなかった」と振り返るが、そのなかでもスコアメークに徹した。4打差を追う週末へ。「すごく楽しみな週末を迎えられてうれしいなという気持ち。天気がどうなるかわからないけど、しっかり集中して、ショットを修正してあしたを迎えられたら」と笑みを浮かべた。(文・笠井あかり)

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