祖母と母を殺害、少年「動機ない」 横浜地裁公判

 横浜市戸塚区の自宅で昨年5月、当時81歳の祖母と50歳の母親を殺害したとして、殺人罪に問われた少年(16)の裁判員裁判が16日、横浜地裁(近藤宏子裁判長)で開かれた。被告人質問で殺害の動機や原因を問われた少年は「ない」などと繰り返した。

 弁護側は「どうして(2人を)殺そうと思ったのか」などと質問。少年は「興味がない。何を話すのかが分からない」とし、殺害を決意した時期については「知らない」と答えた。検察側は引き金となった出来事や原因を確認したが、「別にどうでもいい」「原因は人によって違う。ない」などと話した。

 少年を精神鑑定した医師の証人尋問も行われ、少年に心理面の異常や発達上の障害は認められないと説明。一方で「全体的な未熟さ」や「言葉で表現できない感情」が犯行に影響したとの見解を示し、質問をはぐらかす傾向については「ストレス耐性が低く、情緒的な反応は未発達」と指摘した。

 裁判員からは殺害後の心境などに関する質問が相次ぎ、後悔の念を問われた際は「する理由はない」、残された家族の気持ちには「想像?それは無理だ」と答えた。

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