iPadを消去・売却したら、古い写真が復活したとの報告

Image:Kaspars Grinvalds/Shutterstock.com

iOS 17.5を導入したiPhoneで、数年前に削除したはずの写真が突如として復活した報告が相次いだことは、先日もお伝えした通りだ。それに続いて、消去してから他人に売却したiPadで同じことが起きたという、なんとも困った症状が伝えられている。

大手掲示板Redditユーザーの1人は2023年9月、アップルの公式ガイドに沿ってiPadを消去してから友人に売却。その友人がiPadOS 17.5に更新したところ、古い写真が写真アプリに表示されたと電話が掛かってきたという。

問題のモデルは第4世代12.9インチ iPad Proとのこと。この人物はアップルの指示に従い、消去した後にログインし直さなかったと付け加えている。

これまであった報告は、手元にデバイスがあり、自分のiCloudフォトライブラリとApple IDにログインしていたユーザーの事例ばかりだった。今回の報告が本当であれば、より深刻な事態である。

アップル製デバイスでは、写真アプリで写真やビデオを削除しても、30日間は「最近削除した項目」に保管され、その後に完全削除される。その前に「最近削除した項目」内で手動削除すれば、iCloudおよび接続された全てのデバイスから消えるとされる。

今回の報告では、写真を消したのは半年以上前のことであり、iCloud上はもちろん、iPad内のローカルからも消えているはずだ。

もっとも別のRedditユーザーは、写真を削除したからといって完全に消えるわけではなく、上書きされるまでデータが残る可能性を指摘している。以前、iOSとiCloudの間でデータの整合性が取れないため古いデータを復元したと推測する声もあったが、今回の件ではiCloudは介在していないとも思われ、依然として原因の特定はできないままだ。

記事執筆時点では、この問題に関するアップルの公式コメントは確認されていない。

iPhoneの下取り価格の高さはソフトウェアアップデートが長く受けられることと「消去すれば、他人の手に渡ってもプライバシーが完全に保護される」信頼の上にあるだけに、今後の対応を見守りたいところだ。

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