免許取得から50年!升毅の「旧車愛」ドラマで赤いジャガーやスバル360運転、役柄は〝令和の寅さん〟

国産旧車ブームを背景に2022年2月から放送を開始したCS放送「映画・チャンネルNECO」の30分枠ドラマ「旧車探して、地元めし」の新作2本が5月に放送される。伝説のカーディーラー「鈴木宗一郎」を演じる升毅は1974年に自動車免許を取得以来、半世紀に渡って数々の車を乗り継ぎ、番組内でも巧みな運転技術を披露。劇中では〝マドンナ〟に思いを寄せては空振りするというキャラクターが定着した。18日夜の初回放送に向け、升に旧車への思いや役作りについて聞いた。

新作はいずれも群馬県で撮影。みどり市が舞台となる第11話は18日、桐生市と前橋市で撮影された第12話は25日が初回放送となる(リピート放送は第11話が6月17日、第12話が同21日)。

第11話では、升が運転する「スバル360」の走行シーンから始まり、名車のイベント「ダムサンデー クラシック」をリポート。「フェアレディZ 432R」や「日産チェリー X-1R」、英国車の「オースチンA35」や「ジャガーEタイプ S1」などが紹介される。第12話では「マツダ ファミリア1000クーペ」、「いすゞ ペレット1800GT」、「トヨタ セリカ1600GT」、日産の「ローレルHT2000SGX」と「ブルーバードU1600SSS」、「日野コンテッサ」といった国産旧車に、英国の希少車「ウーズレー1500」が登場する。

升は第11話で66年製の真っ赤なジャガーに試乗した経験を興奮気味に語った。

「ダムサンデーで出会ったジャガーに〝がっつり〟乗せていただきました。セリカにも乗れて喜びひとしおです。ただ、セリカは昔、タイミングが合えば乗っていたかもしれなかったが、ジャガーに関して言えば『一生乗ることがないだろう』と思っていた。実際に乗ってみたらすごく運転しやすくて、安定感があり、『これはすごいわ』と感動できる車でした」

同回のゲストは女優の鈴木砂羽。升とはドラマ「婚活刑事」(読売・日本テレビ系、2015年放送)でも共演した鈴木の役柄は〝謎の美女〟。升は「共演者として、お名前を聞いた時からワクワクしておりました。また、ご一緒できるという喜びが大きかった」と感無量で、鈴木も「私が〝美女〟役って大丈夫?と思いましたけど、楽しんでやりました」と振り返った。

そんな2人は撮影で実際にスバル360でドライブした。鈴木は「升さんは、発進とか、急な勾配のカーブとかでも上手に運転されていてとても感動しました。車がお好きなんだなと思って。私じゃ、こうはいかない」と証言する。

劇中では魅力的な男性として描かれている升の役だが、マドンナにとって「いい人」ではあっても、恋愛対象にならず、思いは空振りするという、まさに映画「男はつらいよ」シリーズで名優・渥美清さんが演じた車寅次郎を彷彿とさせる。升は「劇中で出会いがあった瞬間に、見ている人が『必ずフラれるぞ』と分かる…みたいな(笑)。そんなバターンです」と自認し、鈴木も「鉄板ですけど、いいですね」と相づちを打った。

たとえ女性にフラれたとしても、車は裏切らない。

升は「マニュアル車には何年も時間が空いて乗っても、体が覚えているもので、動かし出すと『そうそう、これが楽しかったんだよね』という感覚になる。今回の撮影ではチェリーに38年乗っている人が新車みたいにピカピカにしておられて、どれだけ愛してるんだということが伝わってきた。安心して乗れる旧車に出会えて、こんな楽しいことはないですね」と目を細めた。

18歳で免許を取得して50年。これからも車を愛する〝令和の寅さん〟としてハンドルを握り続ける。

(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)

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