角田裕毅、レッドブル勢最速の3番手に手応え!「フェルスタッペンも敗北を認めざるを得なかった」と専門メディア

F1第7戦のエミリア・ロマーニャ・グランプリが開幕し、5月17日には2度のフリー走行(FP1、FP2)が実施され、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は好スタートを切った。

チームの本拠地であるファエンツァから15kmほど、角田にとっても「自宅から20分で通える」というホームサーキットでの週末、最初のセッションから日本人ドライバーはラップをまとめ続け、FP1では29周回でベストタイムは1分17秒388(全体6番手)。続くFP2でも好パフォーマンスは継続され、最多タイの32周の走行で1分16秒286を計測し、こちらは3番手につけている。

その後、誤った位置でのスタートテストを行なったことで戒告処分を受けた角田だが、初日を終えて自身のSNSで「良い1日でした」と投稿するなどポジティブな時間を過ごし、チームの公式サイト等を通して、以下のように2つのセッションを振り返るとともに、今後への意気込みを語った。

「良い気分です。FP1から一貫してポジティブであり、安定した1日でした。ホームレースでの、今後が楽しみです。(スプリントのない)通常のレースウィークエンドに戻ったことで、進歩を重ねてラップを積み重ねる時間があるので、より快適でストレスが少ないと感じています。同時に、パフォーマンスもすぐに出せました」

「これからはセッションごとに進歩を続け、全体をまとめて車のパッケージを最大限に引き出していきます。今のところトップ10入りの可能性がありますが、何が起こるか分からないし、中団争いは非常に激しいので、油断はできません。間違いなく最高のポジションを目指していますが、同時に集中して、車のパフォーマンスを引き出すことに専念したいと思います」

一方、RBのレーシングディレクターであるアラン・パーメインは、「ユウキは最初のラップから車に満足しており、自信をさらに高めていった。今日は3種類のタイヤコンパウンド全てを使用し、FP2では途中にソフトタイヤでファステストラップを記録するなど、全般的に満足できるものだった」と、レッドブル・グループの4台の中で最高のポジションにつけた角田の初日について好印象を明かしている。
現地メディアの報道では、オーストリアのモータースポーツ専門サイト『MOTORSPORT MAGAZIN.COM』が、レッドブル顧問であるヘルムート・マルコの「彼は全てのセクターで(チームメイトの)ダニエル・リカルドよりコンマ2秒を速く、最終的にはコンマ6秒の差をつけた」とのコメントを紹介し、「角田にとっては夢のような週末のスタートとなりそうだ。日本人選手はFP2でレッドブル最速となり、マックス・フェルスタッペンやセルジオ・ペレスも敗北を認めざるを得なかった」と伝えた。
また、フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』は「金曜日の角田は印象的だった。このRB F1ドライバーは、常にトップクラスにランクインし、その日の3番手でフィニッシュ」、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』も「ユウキは印象的なシングルラップのペースを維持し、驚くべきことに3番手につけた」と報じたが、後者は「ロングランシミュレーションでのペースはそれほど印象的ではなかった」とも付け加えており、レースに向けての改善点を挙げている。

構成●THE DIGEST編集部

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