【ラクロス(男子)】大類・田代ともに4得点の活躍で東大に11ー3の完勝 六大戦最終試合で層の厚さを見せつける

慶大男子ラクロス部は、六大戦最終戦で東大と激突。第1Qは、池田朋史(商3・慶應)の先制ゴールで幕を開けると、両者譲らぬ展開を繰り広げる。1ー1の同点で、大類慈英(商2・慶應)がゴールネットを揺らし、慶大が一歩リードする。2ー1で迎えた第2Qは、長瀬太輔(法4・慶應)がFOから慶大に勢いをもたらすと、大類、田代豪(商4・慶應NY)がともに2ゴール、主将・藤岡凜大(政4・慶應)もゴールネットを揺らし、一気に7ー1とリードを広げる。6点リードの第3Qは、慶大の失点から始まる。東大の逆襲が始まり、我慢の時間が続くが、G・舘山研二(政4・慶應志木)のファインセーブで難を逃れる。それでも大類が4得点目を挙げるなど、慶大は立て続けに得点を奪うと、10−2で最終Qへ突入する。第4Q、立ち上がりはもどかしい時間帯が続くも、田代が大類に並ぶ4点目を奪って会場を沸かせる。慶大は、東大を終始圧倒して11ー3。全日本王者復活に期待を感じさせる層の厚さで、六大戦最終試合を勝利で彩った。

2024年4月28日(日) 8:00 FO @東京大学農学部グラウンド

※写真はラクロス部提供

AT

#3 藤岡凜大(政4・慶應)

#7 田代豪(商4・慶應NY)

#90 池田朋史(商3・慶應)

MF
#51 石村嶺(経4・慶應)

LMF
#17 関根 瑠偉(政3・慶應)

DF
#16 奥澤拓馬(商4・慶應)
#83 峰岸諒(環2・慶應湘南藤沢)
#20 水口颯汰 (政3・芝浦工業大)

G
#2 浜地航太郎(経4・慶應)

FO
#33 鈴木ケン春海(商3・慶應NY)

♢得点♢

1Q	2Q	3Q	4Q	計
慶大	2	5	3	1	11
東大	1	0	1	1	3
慶大得点者	池田、大類、田代	大類(2)、田代、藤岡	田代、大類、石村	田代	―
大類慈英を讃える選手たち

第1Q、鈴木ケン春海(商3・慶應NY)のFOでポゼッションを獲得した慶大は、試合開始直後から積極的な攻撃を見せる。気迫のこもった攻撃が功を奏し、開始3分で裏から仕掛けた池田朋史が見事なゴールを決め、先制点を挙げる。しかし、一方の東大もすぐさま反撃。両チームの意地がぶつかり合い、1−1と試合は振り出しに戻る。その後、田代豪が激しい競り合いからボールを奪い応戦すると、大類慈英が素早いシュートでゴールネットを揺らす。G・浜地航太郎(経4・慶應)もファインセーブで援護し、慶大はリードを守り切り、2ー1で第1Qを終える。

主将を務める慶大の絶対的エース・藤岡凜大

続く第2Q、六大戦初出場の長瀬太輔がFOでボールを奪取し、チームに勢いをもたらす。慶大は攻撃の手を緩めることはない。田代豪はルーズボールに即座に反応すると、東大DFの一瞬の隙をついてそのままゴール。慶大はその後も攻勢を増し、巧みなパス回しから最後は大類慈英が強烈なシュートで華麗にゴールネットを揺らす。さらに田代が、主将・藤岡凜大からパスを受けると、再びゴール。5ー1と慶大のリードを広げる。直後には、大類慈英がこの試合3度目のゴールで、下級生とは思えぬ圧倒的な存在感を発揮。田代と大類に負けじと、主将・藤岡も東大DF陣を切り裂く鋭いシュートでゴールを奪う。その後も、佐藤孝紀(政4・慶應)が巧みに相手DFを交わして一気に前線へとボールを運ぶなど、慶大は攻撃力で魅せ、7ー1で前半を折り返す。

見事なパスでチャンスメイクした石村嶺

ここまで圧倒的な勢いを見せていた慶大だが、第3Qは失点からスタートする。開始直後、ゴール左から放たれた相手シュートは悔しくもゴールネットを揺らし、7−2。なかなかボールを持てない苦しい時間が続き、「鬼のDF」の応援が響く中、石村嶺(経4・慶應)が田代豪にパスをつなぐと、大類とともにハットトリックを達成。苦況の中、石村・田代の4年生コンビが見事な連携プレーで、慶大応援を大きく沸かせる。その後も我慢の時間帯が長く続くが、G・舘山研二は相手のシュートを何度も防ぎ、東大の得点チャンスを阻止。さらに、佐藤孝紀(政4・慶應)は強靭なフィジカルを活かし、相手DFを抜きながら猛烈な勢いでボールを運んでいく。その姿に、観客からは大声援があがる。そして、絶好調の大類慈英が4点目を奪うと、大類に続き石村も豪快なシュートで追加点を挙げる。第3Qは苦しい時間が続いた中、堅守で東大を封じただけでなくリードを広げ、10ー2で最終Qへ。

シュートを放つ田代豪

最終Qは相手ポゼッションに始まり、DF陣を中心に激しい戦いが展開される。ゴール前でのチャンスもなかなか活かせずにいると、この日すでに3得点の田代豪がパスカットから自らシュート。慶大の勝利を確信させる一撃で、大類に続き4点目を挙げる。その後、東大に意地の1点を返されるも、慶大はものともせず。一貫して主導権を握り続ける。そして鳴り響いた、試合終了を告げるホイッスル。大類と田代がともに4得点で11ー3、試合は慶大の圧勝で幕をおろした。慶大は六大戦で有終の美を飾り、5月19日に行われる早慶戦へと弾みをつける結果に。怪我人が多くチームとして万全ではない中で、4年生はもちろんのこと下級生や出場経験が少ない選手の活躍が見られたことは、六大戦の大きな収穫だろう。今後も、慶大男子ラクロス部の全日本王座奪還への旅路から目が離せない。

(取材:岡本拓真、重吉咲弥、写真:ラクロス部提供、編集:長掛真依)

▽以下、選手インタビュー

藤岡凜大選手(政4・慶應)、佐藤孝紀選手(政4・慶應)

ーー試合を振り返って

藤岡:これまでの六大学戦と1番違ったところは、DFがしっかり抑えてくれていた点です。そのような中で、オフェンスもクリアも変なミスがなく、試合を通じて主導権を握ることができたのが1番大きかったと思います。

ーー六大戦全体を振り返って

藤岡:普通に見たら結構苦しんだローレースだったと思うのですが、ポジティブに捉えたら、 普段では試合に出るチャンスを得られない人が試合に出て、苦しい場面を戦うという良い経験ができたと思います。 そういう意味では、リーグ戦に向けても、怪我した主力選手が戻ってきて、競争が活性化してるので、とてもいいチーム状態だと思っています。

佐藤:今、藤岡も言っていた通り、割と苦しい戦いが続いた中で浮き彫りになった課題があるので。このあと早慶戦、リーグ戦に向けてまだまだ改善すべきことをしっかりと対策して、この1勝に喜びすぎず、しっかりと自分たちでできることに集中したいと思います。

ーー早慶戦に向けての意気込み、応援してくださる方へのメッセージ

藤岡:早大には六大戦でも一点差で負けているので、そこはAチームで出てる人も、怪我で出れなかった人も含めて、 悔しさを本当に身に染みて感じているところです。早慶戦は、絶対に負けられない戦いなので、一昨年、去年に続いてしっかり三連覇を成し遂げて、 ラクロスを初めて見に来る人、これまで応援してくれてきてくれた人、そのような人達にラクロスのかっこよさ、慶應ラクロスの強さを体現できたらなと思います。

佐藤:こうして朝早くから毎週見てきてくれるOBの方や親御さんの方々がいるので、そういう人たちのためにも、もう一度、強い慶應を取り戻すために、今年の「全日本選手権優勝」という目標にも向けて頑張っていきたいと思います。

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