森本慎太郎『街並み照らすヤツら』視聴率撃沈の陰で評価上昇 クセになる即興演劇ノリと伊藤健太郎の存在感

SixTONES森本慎太郎(C)ピンズバNEWS

SixTONES・森本慎太郎(26)主演の連続ドラマ『街並み照らすヤツら』(日本テレビ系/土曜よる10時)の第4話が、5月18日に放送される。5月11日放送の第3話の世帯平均視聴率が3.0%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と爆死状態だが、そんな状況にもかかわらず、じわじわと固定ファンを増やしている。

同ドラマは、商店街で潰れかけのケーキ屋を営む店主・竹野正義(森本)が、大切な店と家族を守るため、悪事に手を染めてしまうことから始まる、笑いと絆のヒューマンエンタテインメント。当初予定していた小学館の漫画の原作ドラマの制作が中止となったことから、急きょ立ち上がったオリジナル作品だ。

通常、連ドラは1年以上準備をかけて撮影に臨むのだが、本作の制作が決まったのが2月中旬で、クランクインまでの期間はわずか1か月。そこから、4月27日に放送スタートとなった。短期間で制作に臨んだスタッフとキャストは大変だったようだが、そのギリギリのスケジュールが功を奏したところもありそうだ。

5月11日放送の第3話は、正義たちが保険金目当ての偽装強盗をしていることが、商店街の店主たちの間で広まり始めていた。そんな正義の元を、商店街で時計店を営む向井(竹財輝之助/44)が夜中に突然訪ねて来て、「もうお金出た?」と強盗被害のことを根掘り葉掘り聞こうとする。

そして、商店会会長・大村(船越英一郎/63)が、困っているのにお金を貸してくれないと恨んでいて、無理やり入らされた保険を利用して仕返したいと訴える。正義も、妻・彩(森川葵/28)がスナックで大村を接客するのが気に食わず、彼に一泡吹かせられるならと、向井の偽装強盗の依頼を引き受けるが……という展開。

■クセになる先の読めなさ

視聴者のX(旧ツイッター)上の反響は、《偽装強盗に商店街の人々が勝手に乗っかっていく、わちゃわちゃ感が懐かしい昭和の匂いがして楽しい》《なんだろうこの不思議な感じ。どっちに行くかわかんない感じがクセになる》《予定調和と真逆の即興劇に立ち会ってる感じがすごく新鮮》などと、トンチキさを評価する声が。

「本作の監督の前田弘二氏は自身のXで、放送までに撮影が間に合ったのは、わずか2話までと明かしており、3話以降はギリギリの撮って出し状態だと思われます。それでは当然、練られた脚本は期待できませんが、アイデアとノリで乗り切っていく感じが、まさに“即興演劇”を見ているようなスリルさがあってクセになります。視聴率は低調ですが、コアなファンがじわじわ増えているようです」(ドラマライター/ヤマカワ)

ギリギリのスケジュールでドラマを作っていることが、思わぬ良い効果を生んでいるようだ。序盤はゆるゆると進んできた本作だが、商店会会長・大村(船越)の息子・光一(伊藤健太郎/26)の登場で、物語が急展開しそうだ。

「昭和の匂いがする商店街を舞台に、ゆるいノリで物語が進むのかと思いきや、日テレの連ドラは約4年ぶりの出演となる、伊藤健太郎がラスボス感たっぷりに登場。圧倒的な存在感で、カオスなドラマ世界が一気に締まりました。今期はウェルメイドな作品が多いなか、この先の読めなさは貴重ですし、好き嫌いはあるかもしれませんが、この春一番の問題作であることは間違いないです」(前同)

考察で盛り上がるドラマが多い今期では、埋もれてしまった感のある本作だが、ためしに一度は見てみたほうがいいかもしれない。

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