河合優実「こんなに泣きそうになったのは久しぶり」南部虎弾さんと妻との“最後の別れ”が「胸に刺さった」

河合優実さんが、『ザ・ノンフィクション「芸に命をかけた人 ~南部虎弾と妻の約束~ 後編」』(5月19日14時~/フジテレビ※関東ローカル)の“語り”を担当。ナレーション収録後の河合さんへのインタビューとともに、語りの一部を先行公開します。

【写真】『ザ・ノンフィクション』で“語り”を担当する河合優実

『ザ・ノンフィクション』だけが撮影を許された“前代未聞の葬儀”

世田谷の小さなアパートで小さな食卓を囲む夫婦は、特別な絆で結ばれていました。

18歳年下の妻は自分の「腎臓」を一つ、夫に分け与え、夫は妻からもらった「腎臓」で命を永らえ、芸人としての人生を最後の最後までまっとうすることができました。

夫の名は、南部虎弾さん(72)。過激なパフォーマンスで知られる「電撃ネットワーク」のリーダーです。夫婦は30年以上、この古いアパートで暮らしてきました。

1990年に南部さんが結成した「電撃ネットワーク」は、体を張った芸でブレイクするものの、危険を顧みないパフォーマンスは「不適切すぎる」と見なされ、次第にテレビに出られなくなります。さらに不摂生がたたり、南部さんは60歳で「糖尿病」を発症、病状は悪化の一途をたどりました。

人工透析に踏み切れば、もう舞台に上がることは難しい。そんな南部さんに「夫婦間腎移植」を提案したのは、妻の由紀さん(53)。移植は成功、妻の献身的な支えや健康管理があり、南部さんは再び、舞台に上がることができました。

そして、腎移植から5年…地方公演に行く前夜に南部さんは脳卒中で倒れ、そのまま帰らぬ人に

35年、ハチャメチャな夫に連れ添った妻の由紀さんは、南部さんをみんなで明るく送り出したいと、ド派手な衣装を身にまとい、葬儀の喪主をすることになりました。

『ザ・ノンフィクション』だけが撮影を許された、前代未聞の「お葬式」で、カメラは妻の深い悲しみを目撃することになります…。

<河合優実 インタビュー> <河合優実 インタビュー>

――後編の映像を見た感想はいかがですか?

今回の取材は2023年に始まったそうですが、まさか南部虎弾さんがこんなに早く亡くなってしまうとは、もちろん誰も想像していなかったわけで…ナレーションを読みながらも、いち視聴者として見て、いろいろなことを思いました。

電撃ネットワークの皆さんが霊安室で南部さんと対面した後の姿や、妻の由紀さんの様子も映し出されていて、この瞬間を私たちが見て良いのだろうかという思いもあり、胸に刺さりました。葬儀で由紀さんが泣き崩れる場面や、その後の海洋散骨のシーンも印象に残っています。昨年からの密着取材で信頼関係があったからこそ、カメラに見せてくれたのだと思います。

『ザ・ノンフィクション』は普段から見ているのですが、こんなに泣きそうになったのは久しぶりでした。

――普段ほとんどメディアに出ないという由紀さんが、南部さんを献身的に支えたり、その思いを語ったり姿も映っていました。

とにかく南部さんを支えることに徹している姿が印象的でした。由紀さんが「(南部さんといると)自然体でいられる」とおっしゃっていましたが、破天荒な南部さんと、明るくしっかり者の由紀さん、本当に波長が合う会うお2人が出会えたんだろうなと感じました。

私はまだ由紀さんのように誰かを身近で支えた経験がないので、想像でしかないですが、18歳で出会い、19歳で結婚してから約35年間ずっと隣にいた人が、しかもこんなに強烈な人生を送っている人が急にいなくなってしまったら、どういう気持ちなんだろうと考えながらVTRを見ていました。

――南部さんは、電撃ネットワークのメンバー・今日元気(きょうも・げんき)さん(35歳)をはじめとした若手の育成も常に考えていました。若い世代として、共感する部分はありましたか?

次期リーダーを期待されている元気さんには、グループのなかで年齢が比較的近いこともあって感情移入しました。南部さんほどのカリスマ性をもってグループの歴史を作りあげた人がいると、2代目としてやっていくのは本当に大変だと思います。

俳優が個人戦だとしたら、グループには団体戦の難しさがあるのだろうと感じました。でも、仲間がいて羨ましいなと思うところもあります

――普段から『ザ・ノンフィクション』を見ているそうですが、何がきっかけで見はじめたのでしょう?

『アメトーーク!』(テレビ朝日)の「ザ・ノンフィクション大好き芸人」(2020年放送)です(笑)。

もちろん、以前から番組のことは知っていましたが、『アメトーーク!』で芸人の皆さんが「数あるドキュメンタリー番組のなかでも、本当にいろいろな人が登場する」とか「とにかく飾らない姿を描いている」といったことを力説されていて、面白そうだなと思って毎週見るようになりました。

これまでに見たものだと、茨城県日立市の飲み屋街さんが並ぶ一軒角を追った「酒と涙と女たちの歌〜塙山キャバレー物語〜」(2021年5〜6月、2023年1月放送)が好きです。さまざまな過去を抱えた方々が登場して切ない気持ちになるけれど、私もすごく行ってみたいです。

東京・浅草で人力車の俥夫(しゃふ)を夢見て奮闘する若者たちのシリーズ「人力車に魅せられて」(2022年7月、10月、2023年5月放送)も好きです。

<河合優実 “語り”の一部を先行公開>

<予告動画>

YouTube「FUJITV GLOBAL CHANNEL」で、『ザ・ノンフィクション』の予告動画を配信中!5月19日(日)14時~「芸に命をかけた人 ~南部虎弾と妻の約束~ 後編」予告。

【告知】

「私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~」は、放送日を変更して近日放送予定です。

【配信スケジュール】

5月5日放送「たどりついた家族3~母の願い 3度目の春~」が5月19日まで、5月12日・19日放送「芸に命をかけた人 ~南部虎弾と妻の約束~前後編」が放送直後から6月2日まで、TVerFODで無料配信中です。

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