ジメジメ時期は “部屋干し臭” が気になる! 原因は意外なところに!? 対策をナチュラルクリーニング講師に聞いてみた!

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これから来る梅雨の時期、洗濯物の部屋干しで衣類がにおってしまうことも…。「たまひよ」アプリユーザーから寄せられた部屋干し臭や洗濯の悩みについて、ナチュラルクリニーニング講師の本橋ひろえさんにアドバイスしてもらいました。

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きちんと洗っているのに、におうのはなぜ?

まず、みんなの洗濯物のお悩みの声を紹介します。

◾️部屋干しの時の生乾き臭
「部屋に干すスペースがなく、サッシにひっかけたりしています。部屋に干すと部屋が生乾きのにおいがするので困ります」(うりたん)

◾️洗濯乾燥機を利用するように
「季節によって虫がつくことがあったり、生乾きのにおいが気になったりしたので、わが家では洗濯後、乾燥機で乾かすようになりました」(子育て奮闘ママ)

◾️やはり太陽
「洗濯物が『いいにおい!』となるのは、外干しの時だと思います。どうしても外の太陽に当てた時のふわっと感が劣ります」(ぷっか)

◾️部屋干しの湿気
「湿気が多くなり過ぎてしまうこと。部屋の間取り的に、キッチンダイニングのカーテンレールにひっかけて干しています。どうしても湿気が多くなってしまい、困っています」(みーも)

◾️暖房時期以外は乾きにくい
「暖房をつけている時は全部の洗濯物が乾きますが、少し暖かくて暖房いらないって時がまったく乾かないので、電気代が…と思いながら洗濯の為につけています。笑」(maa)

◾️乾燥機をつけても部屋干し臭
「雨の時期の部屋干しがなかなか乾きません。乾燥機をつけていても、部屋干し臭がする時も。でも消臭除菌系の洗剤は強い成分が多いので、他に良い方法があれば教えてほしいです」(R)

においは洗い残しが原因。夏はたっぷりの洗剤とたっぷりの水で洗濯を

ジメジメの梅雨の時期になると気になるのが洗濯物のにおい。本格的な梅雨に入る前に、気になる部屋干し臭の原因とその対策について、本橋ひろえさんに聞きました。

「梅雨の時期になると気になる部屋干し臭は、洗った直後は気づきにくいものです。せっかく洗ったのに、がっかりすることがありますね。
衣類に残るニオイのおもな原因はこの3つです。
(1)衣類に付着した洗濯槽の汚れや雑菌
(2)衣類の繊維の中に入り込んだ皮脂やたんぱく質などの洗い残し
(3)衣類の湿った時間が長く、室内の温度が高いため衣類に残った雑菌が繁殖。また、皮脂やたんぱく質をエサに繁殖した雑菌の排泄物がにおうことも

雑菌は、「汚れ」「水分」「温度(20度前後)」の三拍子がそろった時に繁殖します。温度や湿度の高い部屋で時間をかけて乾かす梅雨の時期は、雑菌にとって好条件が揃っているため菌が繁殖しやすくと言えます。また、繊維の奥深く入り込んだ皮脂の汚れは無色透明なので、洗った直後は、洗い残しに気づきにくいというのも理由の1つです。とはいえ、汚れがキレイに落ちていれば衣類は臭わないので、臭いがするということは、洗い残しのサインですから、洗濯方法を見直しましょう。
においを予防するには、まず洗濯槽の掃除です。夏の時期は1ヶ月に1度くらいを目安にするといいのではないでしょうか。
繊維の中まで入り込んだ皮脂汚れをしっかり落とすには、お湯洗いです。汗汚れは水だけでも落ちますが、皮脂は水では落ちないからです。日本の洗濯機はお湯洗いの機能がついているものが少ないので、残り湯を使われている人も多いと思います。
残り湯を使う場合は、お湯が40度くらいの温かいうちに洗濯しましょう。温度が低くなった残り湯には、雑菌が繁殖しているからです。残り湯が使えない場合は、洗面台に貯めたお湯を使う方法があります。ただし、60度以上など高い温度のお湯を使うと洗濯機の故障や衣類をいためる原因になるので注意してください。
そのほか、皮脂汚れが気になる時は、つけおきで予洗いするのも有効です。洗剤を溶かした40度くらいのお湯に5分〜10分ほどつけおきするだけで、皮脂の汚れを緩めて溶かし出してくれます。

夏は冬に比べて衣類にたっぷりの汗と皮脂がしみ込んでいるので、多めの洗剤と多めの水で洗うのが基本です。洗濯機が節水モードになっていると、汗汚れも落ちにくくなります。水の量は、洗濯物がしっかり沈み、衣類が水の中で泳ぐくらいが目安です。たっぷりのお水で洗濯物をすすぐと、嫌なにおいをおさえることができます」(本橋ひろえさん)

洗い残しとジメジメ対策のポイント

◆部屋干し臭の予防にはオキシクリーンをプラス
においを抑えるには酸素系漂白剤の除菌パワーを借りるのも有効です。40度くらいのお湯に酸素系漂白剤のオキシクリーンなどを溶かして洗濯すると、汚れを落とすだけでなくカビや雑菌の除菌効果も期待できます。酸素系漂白剤の分量は、パッケージの使用量の目安を参考に。

◆シャツは固形石鹸とブラシで予洗いを
洗濯機だけではなかなか落ちない襟や袖口、わきの汚れは、黄ばみや黒ずみの原因に。しっかり汚れを落とすには、予洗いを。袖口などはお湯で濡らした後に、固形石鹸を衣類に塗り、軽く洗濯ブラシで軽くこすって、そのあと洗濯機へ。衣類を洗う時は、蛍光増白剤が入っていないものを選んで。

◆乾かす時間を短縮して生乾き臭を予防
梅雨の時期は、ただ干しているだけでは乾かないことも。乾かす時間を短くすることで部屋干し臭を予防できるので、扇風機などを使う方法も。洗濯物の水分は下に溜まっていくので、扇風機の風は洗濯物の下の方にあたるように調節するのがポイント。

◆タオルは横向きに干す
タオルはピンチハンガーなどの干し具に干すときは、縦にダランと長く干すのではなく、横向きに干すのが◎。縦に長く干すと水分が下の方に溜まって乾きにくくなるからです。また、バスタオル1枚で、フェイスタオル6枚分の水の量が必要になるので、バスタオルよりフェイスタオルを使った方が節水に。

汚れはシミや黄ばみなど目に見えるものばかりではないので、汚れがきちんと落ちているかわからないもの。洗い残しを防ぐためにも節水モードと洗濯物を詰め込み過ぎには注意ですね。
(取材・文/酒井範子)

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2024年4月の情報で、現在と異なる場合があります。

本橋ひろえさん

PROFILE)
ナチュラルクリーニング講師。北里大学 衛生学部化学科卒業後化学薬品会社で合成洗剤の製造を担当。2006年より、各地でチュラルクリーニング講師になり、テレビや雑誌などで活躍。ナチュラルクリーニングとは、環境&手肌に優しい、安心安全、手抜きができて楽チン&楽しきちんと洗えたキレイな服を着ること。著書に『やることの「見える化」で掃除をラクにする方法』『ナチュラルおせんたく大全』『ナチュラルおそうじ大全』(主婦の友社)などがある。

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