竹安俊也の「61」を呼んだ子供の顔写真入りボールマーカー

子供の顔入り特製ボールマークが力をくれる(撮影/加藤裕一)

◇国内男子◇関西オープン 3日目(18日)◇名神八日市カントリー倶楽部(滋賀)◇6869yd(パー70)◇晴れ(観衆2273人)

パー5が2つあり、スコアを伸ばしやすいパー36のバックナインで7バーディを奪い「29」をマークした。前日に平田憲聖が出した大会コースレコードに並ぶ「61」で回った竹安俊也は「出来過ぎ。ティショットも何もかもがうまくいって。特にパットが良くて、年に一度あるか、のイメージでした」と照れ笑いを浮かべた。

初日71位、2日目29位、そして首位と3打差の通算9アンダー5位へ。ツアー初優勝が狙える位置で迎える最終日。まずは今平周吾に感謝したい。

2週前の「中日クラウンズ」で一緒に練習ラウンドをした際、打たせてもらった中尺パターがハマった。すぐに今平と同じモデルをメーカーにリクエストし、作ってもらった。「最初に打った時、すごく良くて。その後、段々とストロークしやすくなってます」

今平周吾と同モデルの中尺パターがハマった(撮影/奥田泰也)

自分の感性に頼る部分が大きい通常の長さのパターに比べ、中尺は「オートマチック」に打てるという。これまでミスヒットが増え、手が動きにくくなっていたが「中尺だと、狙いを決めてストロークするだけ。ミスしても、グリーンのせいにできる」と気持ち悪さが解消した。

パットを打つ前に、力をくれるものもある。3歳の長男・永玖(りく)君の顔写真入りのボールマーカーを作った。現在使っているのは、0歳の次男・福(ふく)君と2人の顔写真を片面ずつに入れたもの。

「それを見ると“今、何してんのかな”とか。力になります」。グリーン上でマークするたびに、パパに力を与えてくれる。

プロ10年目の31歳に、初優勝のチャンスが訪れた(撮影/奥田泰也)

プロ10年目の31歳。ツアー暮らしの竹安が家を空けがちになることもあって、4年前に結婚した妻絢香さんは愛息2人と青森県弘前市の実家で暮らしている。絢香さんと少し前からよく話すようになったことがある。

「3日目が終わって、トップと3打差以内ならコースに応援に行く」―。天使2人を連れた勝利の女神がやってくれば、竹安には百人力だ。(滋賀県東近江市/加藤裕一)

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