「ドアをたたかれ何度もチャイムが」つばさの党幹部の同居人が語る「逮捕の瞬間」

逮捕され、警察車両内でピースサインを見せる「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(中央)(写真・時事通信)

4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙の選挙期間中に、他陣営の演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は5月17日に公選法違反容疑で政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)、同党幹事長で同補選に立候補した根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人を逮捕した。

「逮捕容疑は、補選告示日の4月16日、江東区のJR亀戸駅前で無所属の乙武洋匡候補(48)が選挙カーの上で演説中、電話ボックス上などから拡声器で怒号をあげて演説を妨害した『選挙の自由妨害』の疑いです。複数の陣営からも被害届が出されていて、さらに選挙カーを追いかけた交通妨害でも調べが進んでいます。

警視庁は容疑者たちに警告をしていたのですが聞き入れず、悪質性が高いとみて、逮捕に踏み切ったようです。いずれにしても、政治団体代表や立候補者が逮捕されるのは異例です」(事件担当記者)

容疑者たちは「表現の自由」を根拠に容疑を否認しているようだが、逮捕時、警察車両のなかで笑いながらピースサインをするなどの姿が、ニュースで伝えられた。

本誌は、根本、杉田両容疑者と同居していた、つばさの党の関係者に、逮捕時の詳細を聞くことができた。

「5月17日の朝9時ごろでした。関係者たちが住む練馬区の自宅のドアが『ドン! ドン!』と叩かれたあと、チャイムが何度も鳴らされました。『またガザ入れか』と思い『携帯とPCを隠せ!』と根本と杉田に伝えました。

玄関の扉を開けたら、警察が部屋まで入ってきて『逮捕する』と言って、令状を2人に見せました。手錠を出されたときの根本と杉田は、多少の抵抗を見せてはいましたが『しょうがないな』という表情で手錠をかけられ、警察車両に乗り込みました」

また、黒川容疑者の自宅に同居する女性は「早朝9時ごろ、自宅のチャイムがなり、ドアを開けると数人の警察官が自宅に入って来ました」と“その瞬間”を振り返った。

「警察は令状を出して『逮捕します』と。黒川は苦笑いしながら手錠をかけられ、財布もカバンも持つことができなく、警察車両に乗り込んで行きました」(同前)

党関係者のひとりは、逮捕について「逆に支持者たちは『この逮捕は不当逮捕だ』と燃え上がると思います。3人が逮捕されて戦力は下がりましたが、私たちは止まりません」と語った。

今後、3人への取り調べで、多くのことが明らかになっていくことだろう。

© 株式会社光文社