【DeNA】中川颯が投打に輝き!衝撃のプロ1号に指揮官「本人にもチームにも非常に大きなホームランだった」

◆ 「トバさんのおかげです」

五月晴の青空同様、ハマっ子サブマリンの爽やかな笑顔がお立ち台で弾んだ。

前回登板で炎上してしまい、リベンジを誓って先発のマウンドへ上がった中川颯は、初回のピンチを無失点で切り抜けると、2回には高校通算26ホームランの打棒が炸裂。中日先発の松葉貴大初球のカーブを捉えた打球は、あっという間にライトスタンド中段に突き刺さるプロ1号となり、自身を援護することにも成功した。投げても中日打線から頃の山を築きあげる理想のピッチングを披露し、6回を74球、2失点と先発としての役目を十分果たした。

ゲームはあと一押しできなかった打線をリリーフ陣がカバー。スコア3−2の僅差の試合をなんとかモノにした。

試合後三浦監督は、中川颯の投球に「ゴロヒットはもう割り切って、しっかりとゴロを打たせるっていうことを徹底してやってくれました」と納得の表情。また「山本(祐大)もうまくリードしながら、相手の動きを見ながら配球してくれたと思います」と同じくお立ち台に上がった女房役のリードにも高評価を与えていた。

またホームランには「飛距離も大きかったですけど、ホームランでの大きな2点は本人にもそうですし、チームにも非常に大きなホームランだったと思います」とし「二刀流。そんな雰囲気もありましたね」と上機嫌で目を細めた。

中川颯本人は「やっぱり前回本当に情けないピッチングしてしまって、この1週間結構しんどかったんです」と正直に心の内を吐露。具体的には「前々回良くて、自分の中では状態はいいと思って入って。でも3回9失点っていう内容だったんで、結構しんどさがあったんですけど、メンタルコーチの遠藤さんにも相談に乗っていただいて、なんとか今日までにこう、気持ちを立て直して挑めたので、もう本当にその周りのスタッフさんだったりとか、その支えてくれる人たちのおかげだと思います」と苦労人らしく周囲にまず感謝。

その上で「過去の動画だったりとか、前回の打たれた時の動画も本当ずっと見て、そこで自分での修正点だったりとか、配球の面でもそうですし、フォームの面でもそうですし、それを修正できて今日出せたっていうのは、やっぱこの成長にも繋がりますし、次回以降もそういう気持ちで投げていきたいなと思います」と結果を残せたことにホッとした表情を見せた。

高校時代以来の一発に「高校で打った時ももうほぼ満員だったんで、打った方向は逆ですけど、 フラッシュバックしたかなみたいな」と懐かしみつつ「左ピッチャーは元々そんなに得意ではなかったんですけど、戸柱(恭孝)さんにどう打ったらいいですかって前回の阪神戦の時に聞いて、そのイメージのまま入って打ってたんで。 トバさんのおかげです」とここでも謙虚に感謝した。

生粋のハマっ子で、幼少時から応援していたベイスターズを自らの手で勝利に導いた“ハマのサブマリン”。本拠地での1勝をキッカケに、これからも横浜スタジアムで快進撃を続けて魅せる。

写真・取材・文 / 萩原孝弘

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