不動産会社の女性経営者が教える! 意外と知らない「不動産会社に聞かないとNGな賃貸物件の落とし穴」6つ

不動産会社の女性経営者が教える! 意外と知らない「不動産会社に聞かないとNGな賃貸物件の落とし穴」6つ

【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.56

――賃貸物件を探す際に、”不動産会社に聞かないと損をしてしまうこと”ってありますか? 物件探し初心者さんに向けて、基礎的なことから教えてください!

NG1.「家賃の相場を聞かないで、住むエリアを決める」

平出さん 初めてひとり暮らしの物件を探す人は、まず最初に家賃の相場を聞いてから住むエリアを決めるといいです。都心に近いほど家賃は高くなりますし、都心から離れるほど家賃は安くなります。ですが都心から離れていても、交通の便がよく特急や急行が止まる駅は家賃の相場がやや上がる場合も。築年数が浅い物件は家賃が高く、古い物件ほど家賃が安くなる傾向がありますので、新しい物件を選びたいなどの要望がある人は、物件探しをする前に、不動産会社にあらかじめその旨を伝えておくといいと思います。

NG2.「気になった物件の初期費用を確かめない」

平出さん 賃貸物件に住む場合、敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料などの初期費用がかかることはご存知のかたも多いと思いますが、他にも鍵交換代、クリーニング代、事務手数料など、物件によってかかってくる初期費用が異なることは知っておきましょう。また、1か月の家賃が無料になる”フリーレント物件”は初期費用がおトクに感じやすいですが、1か月の家賃が無料の代わりに、基本の家賃が高くなっていることもありますので注意が必要です。

NG3.「共用部の設備、管理人が常駐しているかを確認しない」

平出さん 宅配ボックス、ゴミ捨て場、駐輪場、エレベーターなどの共有部の設備も不動産会社に聞いておいた方がいいです。管理人が常駐している物件は、共有のゴミ捨て場が常にキレイに整っている場合が多いですし、困ったことがあったらすぐに聞くことができる環境のため安心感もあります。ただし、共有部の設備が充実していたり、管理人が常駐している物件は、管理費が高い傾向にあることは知っておいてください。

NG4.「保証会社の加入有無の確認をしない」

平出さん 以前は賃貸物件に入る際には、”連帯保証人”をたてる場合が多かったのですが、最近は”賃貸保証会社”を利用することが必須となっている物件がほとんどです。賃貸保証会社とは、入居者が何らかの事情により家賃が払えなくなったとき、入居者に代わってオーナーに家賃を立て替え払いする会社のこと。保証料の目安としては、初年度で家賃の0.5~1か月分、2年目以降は年1万円が目安です。契約時だけではなく月額費用がかかる場合もあるなど物件によって異なりますので、担当者に聞くようにしてください。

NG5.「更新時期の確認をしない」

平出さん 賃貸契約は2年更新が基本で、2年経ったら更新料を支払って更新することができます。ですが物件により、更新できない契約の場合があり、更新は大家さんと相談のうえ決定となる物件もあるため、不動産会社に確認しておかないと住み続けられない場合も。「更新できると思ったらできなかった」とならないよう必ず確認するようにしてください。また、更新料は家賃1か月分が相場ですが、こちらも物件により異なります。更新時には火災保険や保証会社の継続利用料、事務手数料などにかかる金額もあるため、契約前に確認しておくといいです。

NG6.「退去費用の確認をしない」

平出さん オーナーや管理会社との最も多いトラブルは、退去費用に関してです。「敷金が戻らない」「法外な退去費用を請求された」「入居時からあった傷や汚れに対して修繕費を要求された」などさまざま。基本、普通に生活しているだけで発生する汚れや経年劣化による傷は入居者が負担するものではありませんが、キレイに使っていても室内クリーニングやエアコンクリーニングの負担金額があらかじめ契約時に決まっていることもあります。そのため不動産会社に退去時にかかる費用の目安についても必ず聞いておくようにしてください。

――不動産会社とやりとりする際に気をつけるべきこと、聞かない方がいいことなどがあれば教えてください!

平出さん 不動産会社とメールやLINEでやり取りする際に、返信をせず長く放置すると、既に契約が決まったり、物件探しも難しくなるため、返信は早めにした方がいいです。また、家賃に対して、あまりにも厳しい条件をだしてしまうと、不動産会社の担当者がやる気をなくして熱心に探してくれない可能性も否定できません。ある程度譲歩できる条件と、譲れない条件をあらかじめ伝えておくと不動産会社の担当者も探しやすいと思います。

ちなみに家賃に関しては、個人的には家賃は手取り月収の30%以内に収めることをおすすめしています。30%を超えると家賃が負担に感じやすいと思いますし、給与に対して家賃が大きいと審査も通りづらくなることも。ひとり暮らしは、家賃だけでなく食費や光熱費、生活用品など、毎月の出費はほかにもあります。そのため毎月の固定費は余裕をもって設定することを大切にしてください。


快適なひとり暮らしを始めるために知っておこう

いかがでしたか。物件探しは賢く丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。

教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん

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