東出昌大、緊張状態の南米の孤島へ“置き去り”に『世界の果てに、東出昌大置いてきた』1話

5月18日21時より『世界の果てに、誰か置いてきた』シリーズの第2弾、『世界の果てに、東出昌大置いてきた』の放送がスタートした。

本番組は、昨年放送の第1弾『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』の続編。前回の旅で、ひろゆきの旅のパートナーとして参加した東出が、今回は主人公となった。その第1話の見どころを解説しよう。

4時間アイマスクをした状態の東出が置き去りにされたのは、南米・エクアドルの島。スペイン語で赤道を意味するこの国、言わずもがな暑い。暑いというのは、ただ暑いのではなく腕が火傷し、口は常に乾いて水分を欲するほど。この旅、なんだか前回以上に過酷に思える。

しかも置き去りにされた場所の周りは広大な海に囲まれた絶壁。見ているだけで足がすくむ。そのあまりにも孤独すぎる光景に、本来なら焦ってしまいそうなところだが、東出は相変わらず陽気である。「まじ?」と笑いながら、この状況を把握。そして人がいる場所を目指して歩くのだが「まぁ、つかなかったら野宿するしかないね」と楽観的だ。こういう前向きな姿、前回の旅で虜になった視聴者はきっと多いはず。見ているだけで、好感が持てる東出の前向きさ、ムードメーカーっぷりを思い出させてくれたシーンだった。

ところで、エクアドルという街、ロケ当時は緊急事態宣言下。というのも、現地のマフィアが国営テレビのニューススタジオに銃を持って乗り込み、アナウンサーやスタッフが慌てふためくというショッキングな出来事があったばかり。そんな情勢な上に、相棒ひろゆきがいないということもあって、なかなかに不安そうな東出。ただ、もう始まったからには“やるしかない”。そう腹を括る様子は、相変わらず見ていて清々しかった。

そんな東出の陽なオーラもあってか、旅は思った以上に順調に。島から脱出し、都市部にいくために船を探していたところ「帰る途中だから」と観光船が無料で一行を乗せてくれたり、話しかけた街の人たちは基本的にギブの精神だったり……。

特に印象的だったのは、本名を名乗らない、謎の観光業の男だろうか。やや営業してくる場面はあるものの、自身の生活のためもあってかと想像すると仕方がない。ただ、そう思った上でも、なかなかに驚いたのは、釣りを終えた後で「友達に料理をさせる」と言い、一行を連れて行ったのがまさかの隣の家に住む主婦のもとだったこと。最初は「あれ? これって……怪しい?」とちょっと疑念が生まれたのも事実。ただ、聞くところによると、この主婦、少し前までは家計がかなり厳しかったようで、この観光業の男が仕事として家事などを頼んでいたのだそう。結局のところ、欲望のためではなく、友人、そして客思いな人間ゆえに「WIN-WINならいいでしょ」精神での行動だったのだ。

ところで、普段は温厚な東出が豊川Dに対して、少々キツめに言及する場面も見られた第一話。それは現地の人とご飯を食べる時に利用するABEMAのポケットマネーについて豊川が「乱用しすぎでは?」と発言したシーンで起きた。

この言葉を聞いた東出は「僕らって私利私欲のためにお金を使っているんじゃなくて、生活を最低限の安宿を探して安い食事をとりながら生活しているじゃないですか。その中で、イベントをしないのなら移動だけに徹するわけじゃないですか。だから、乱用ではなくて、イベントがあった時には払ってもらう必要があるんです。そうじゃないと、イベントを怖がって人と接しない旅になってしまう。だから、イベントがあって払えるだけよかったなって方向に気持ちを持って行ったほうがいい」と多少、ひろゆきみを感じる言葉を発したのだ。

ただ、この言葉を聞いたとき、東出が楽天的で、その場を楽しめるマインドを持っている人間だからこそだとも思ったのは事実。東出がなぜいつも笑っているのか、なぜいつも楽観的なのかが凝縮されている一幕であった。

そんなこんなで終了した1話。果たして、このあと旅の友は現れるのか。2話以降、注目していきたい。

(文=於ありさ)

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