『花咲舞が黙ってない』今田美桜と菊地凛子が急接近 川野の死にまつわる衝撃の事実

ドラマ『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)第6話では、前回初登場にして大きな話題をさらった半沢直樹(劇団ひとり)は一切出てこない。だが、終盤の展開に向けた重要な回と言えるだろう。

その理由の一つが、舞(今田美桜)と昇仙峡(菊地凛子)の急接近だ。舞は千鳥足でベロベロに酔っている昇仙峡を発見。特命担当として冷血なイメージの彼女が、「昇仙峡でーす」とへべれけだ。歩いて30分の自宅に一人で帰すのは危険だと判断し、舞は「花さき」で昇仙峡を介抱することにする。普段は滅多に飲むことのない昇仙峡が、そこまで泥酔してしまったのには、亡くなった恋人の川野(平原テツ)の存在があった。自身の誕生日に思い出のバーを訪れ、川野との記憶が蘇った昇仙峡。左腕には彼の形見の腕時計が光っている。

舞に初めて笑みを見せた昇仙峡は、亡き彼との思い出話を始める。優しくて、不器用で、でも仕事が大好き。「『このままじゃこの銀行はダメだ。銀行を変えなきゃ』と熱くなって、正義感が強いっていうか」と話しながら、「似てるのよね」と昇仙峡は舞の銀行を変えようとする真っ直ぐな姿勢に彼の面影を重ねているようだ。前回、半沢に向けて「ムカつく!」と共鳴していた2人が、こんなにも早くに距離を縮めるなんて。

そこには舞もまた中学生の頃に母親を亡くしているということがある。元々病気だった母親と舞は些細なことで喧嘩をしてしまい、そのまま容態が悪くなり「ごめんなさい」も言えないまま、死に目にも会うことはできなかった。

だからこそ、舞が第6話ゲストの平岡秀紀(田村健太郎)に告げる「お言葉を返すようですが」はとてつもなく優しい。亡くなった恋人・奈保子(堀田茜)の口座を利用していたことを、今も心配している奈保子の母・道代(宮崎美子)に謝罪をしに行く必要があることは分かっているものの、どうしても踏ん切りがつかない。「いつかなんて言ってるうちに2度と会えなくなることもあるじゃないですか。そうなってから悔やんでも遅いですから。でも、今なら間に合います」という言葉は、大切な人を亡くしたことのある舞だからこそ言える、説得力を持った言葉。平岡をまっすぐ見つめる視線が、次第に俯き加減になっていくのは、今も胸に残る母への後悔からだろうか。

そして、相馬健(山本耕史)にとっても、川野は大切な上司だった。その亡くなった理由は自殺だったという衝撃の事実が明かされる。
(文=渡辺彰浩)

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