産学官、復興へ結集 プロジェクト会議始動 本社、北國FHD、北電など

  ●県全体の活性化目指す

 能登半島地震からの復興を石川県全体の活性化につなげる目的で、県を代表する産学官が連携したプロジェクト会議が始動する。北國新聞社と北國フィナンシャルホールディングス(FHD)、北陸電力、県、高等教育機関などが参画を予定し、アイデアや人材、知見を結集して能登の活性化と県の成長に資する取り組みを進める。県が20日に公表する「創造的復興プラン」の最終案に組織の設置が明記される。

 「産学官石川復興プロジェクト会議」は、「能登の復興がなければ県全体の活力の維持、向上も望めない」との危機感を共有する産学官の枠組みで構成する。

 催しの支援など能登の復興に直接結び付く具体的な取り組みに加え、金沢、加賀にも波及が期待できる企画についても財源を含めて検討し、事業化を目指す。

 社会構造や制度が複雑化している中で起きた震災には、行政だけでは解決が難しい課題も多い。各分野を代表する県内企業や人口当たりの集積率が全国1位の県内高等教育機関が解決策を持ち寄ることで、これまでの行政にはなかった取り組みが生まれる可能性がある。

  ●県復興プラン、20日公表

 県の創造的復興プラン案にはこのほか、▽震災遺構の世界ジオパーク認定など地域資源化▽祭りの再興▽防災教育や研究の場としての学生受け入れ促進▽トキが舞う能登の実現▽原形復旧にとらわれない、新たな視点のインフラ強靱化、などが復興を象徴する事業「リーディングプロジェクト」として明記される。

 企業やNPO、ボランティアといった多様な支援団体と被災者、地域のミスマッチを解消する官民組織「連携復興センター」の設置も盛り込む。

 県は県議会6月定例会を経てプランを確定させ、リーディングプロジェクトなどを順次実行に移す。

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