伊勢原の酒米から日本酒完成 「うまみがしっかり」厚木・七沢の黄金井酒造

完成した「旋」を持つ(右から)酒井さん、黄金井さん、三上さん=厚木市七沢の黄金井酒造

 黄金井酒造(厚木市七沢)は5月から、伊勢原市内で生産された酒米で造った日本酒「旋(つむじ)」の販売を始めた。同社にとって地元周辺の酒米を使った酒造りは初めて。黄金井陽介専務らが3年ほど前から取り組み、知人でコーヒー豆製造販売会社「厚木珈琲(コーヒー)」(厚木市東町)の酒井涼旦郎代表から紹介された伊勢原市下糟屋の農園「加藤花園」で、酒米「五百万石」を生産してもらった。地域に生きる人の絆で地元の日本酒が出来上がった。

 依頼を受けた加藤花園が昨年春から、約4千平方メートルの水田で「五百万石」を生産。同農園としても初めての酒米の生産だったが、順調に成長し昨秋には大粒で酒造りに使える米だけで1.2トン収穫できた。

 黄金井酒造では「せっかくの地元の米だから、酒造りの方法でも挑戦しよう」と、普段は使わない「8号酵母」を使用して今年3月から仕込んだ。「うまみが出る酵母で、うまみにつながる酸味も強い」という黄金井専務の狙い通り、うまみがしっかりと感じられる酒に仕上がったという。

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