今田美桜「人見知りで、ひどいときは胃腸炎になったこともありました」

(撮影:遠藤優貴)

「10年前に杏さんが演じた花咲舞を演じるにあたって、正直、プレッシャーはありました。でも、私も学生のときに見ていてとても勇気と元気をもらった作品です。リスペクトを込めながら、新しいキャストのみなさんと一緒に新しい『花咲舞』を作っていけたらいいなと思っています」

ドラマ『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)の新シリーズで主演を務める今田美桜(27)。銀行内にはびこる不正に立ち向かう“諦めないヒロイン”像はそのままに、イマドキの若者らしさも付け加えられた、令和版・花咲舞を好演中だ。決めゼリフの「お言葉を返すようですが」を聞くたびに、溜飲が下がる視聴者も多いはず。

「初めてそのセリフを言うときは、私自身も『ついに来た!』という気持ちで挑みました。ただ、1話と2話とではシーンの空気感もテンションもまったく違ったし、言葉を伝える相手によって、『お言葉を返すようですが』の意味が変わるんですよ。今後もいろんなパターンを見てもらえるのではないかと思います」

演じていて感じたのは、「舞は自分のためではなく、誰かのためを思ってその言葉を発している」ということ。

「だからこそ、舞の言葉は、人の胸を打つのだと思います。相馬さん(山本耕史)がなんだかんだ言いつつ手助けしてしまうのも、その言葉に心を動かされるからではないでしょうか。人にどう思われようが、誰かのためには黙っていられない。その正義感の強さが舞の魅力で、私も憧れます」

また、不正を見て見ぬふりができない舞に共感することも。

「いまだにタバコの吸いがらが道に落ちているのを見ると、どうしてだろう? とモヤモヤします。それと、最近、豪雨や地震などの自然災害が多いのがとても心配です」

来年放送のNHK連続テレビ小説『あんぱん』のヒロインに抜擢されるなど、主演女優の貫禄もついた今田。しかし、その素顔は意外にも「人見知り」。

「このお仕事は“初めまして”の現場が多くて、ようやくコミュニケーションを取れるようになったと思ったら“さよなら”がほとんど。最初は慣れなくて、ひどいときは胃腸炎になったこともありました。だいぶ克服したと思いますが、顔合わせのときは、いまだに緊張して心臓がバクバクしちゃいます(笑)。今回、主演だからといっても何かできるわけではないので、先輩や周りの方に『助けてください』って素直に言うようにしています」

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