10年ぶり来日で駆け込んだ“チェーン店” 妻も愛した日本…息子の名前は「コウシエン」

取材に応じた元阪神のクレイグ・ブラゼル氏【写真:荒川祐史】

元阪神ブラゼル氏が来日した翌朝…発見した“大好きだったお店”

西武や阪神、ロッテでプレーしたクレイグ・ブラゼル氏が10年ぶりに来日し、Full-Countのインタビューに応じた。言葉も文化も全く違う日本の地で、私生活の面でも様々な刺激を受けた。来日の翌日には、大好きだった“チェーン店”に朝から駆け込んだ。【取材協力・一般社団法人日本プロ野球外国人OB選手会】

2008年に西武に入団したが、それまで日本に訪れたことはなく「怖かったんだ」と胸中を明かす。それでも、日本で活躍するためには野球だけでなく、日常生活にも適応しなければならなかった。

「日本の生活に慣れることは大変でした。日本は(時間の流れが)早いんですよ。(米国と違って)車でどこにでも行ける訳ではありませんし、食事面のこともありました。完全に新しい生活スタイルになりましたね」

西武時代は、ドームまで電車で45分かけて通勤した。「あれは大変だったよね」。大きな体が車内で目立たない訳がなく、毎日のようにファンから声をかけられた。日本の電車は、時間通りに到着することがほとんど。「時間に正確なのは、日本の素晴らしいことの1つですね」と、米国との違いに驚いたこともあった。

息子の名前は「コウシエン」…「妻が提案したんだ」

食事面では、牛丼チェーンの「吉野家」が大好物。西武時代、よく使う駅に店舗があったのがきっかけだった。「肉、玉ねぎ、ご飯の組み合わせがただただ美味しいんだよ」。10年ぶりに来日した翌朝、散歩途中に吉野家を見つけると真っ先に駆け込んだ。「日本へ行って最初に行きたい場所の1つでした。1杯食べたよ。昔は2杯だったけどね」。懐かしの味を楽しんだ。

焼肉チェーンの「牛角」にも足しげく通った。「住んでいるうちに、牛角は最高級の焼肉店ではないことを知ったんだ」。日本で食べられる焼肉の質に驚いた。「神戸にある『ステーキハウスZEN』も好きだったね」。今回の来日でも足を運び、大好きな食事を堪能した。

日本でプレーした3チームの中で、一番思い出深いのが、4年間所属した阪神時代だ。三男のミドルネームは「コウシエン」とつけた。「妻が提案したんだよ。気に入っているね」。今回は連れてくることができなかったが、由来になった聖地に連れて行ってあげたいという。「いつか絶対に連れて行くよ。彼が行くことを望んでいるからね。彼の部屋には甲子園球場の写真が飾ってあるんだ」。

今回の来日では甲子園にも訪れ、阪神-中日戦の始球式にも登場。第2の故郷を満喫した。(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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