一日も早い開通を 上沼道(安塚―大島間)シンポ 地元住民ら324人 知事に訴え熱く

シンポジウムには地元住民ら324人が参加。一日も早い上沼道開通を訴えた

上越市と南魚沼市を結ぶ地域高規格道路「上越魚沼地域振興快速道路(上沼道)」の安塚―大島間早期開通を訴えるシンポジウムが18日、安塚区の安塚コミュニティプラザで開かれた。地元住民ら沿線地域から324人が参加。出席した花角英世県知事に、一日も早い開通への思いを伝えた。

全長60キロの上沼道は、物流、医療、選挙区などの観点から、地域間の連携強化、各高速道路と港、首都圏を結ぶ交通圏の拡大に期待が寄せられている。未開通区間のうち、県は3月、安塚―松代間のルートを国道253号付近を走る案に決定。整備中の三和安塚道路(約9・4キロ)では本年度、神田高架橋(仮称)の工事と、本郷工区のボックス工事を予定している。

出席した行政や議員、団体代表からは、一刻も早い開通を願う声が相次いだ。上越市の中川幹太市長は「地域活性化、災害時や豪雪地帯の交通確保、救急医療を支える命の道」、25年前から道路開通へ関わってきた女性みちみらい上越の野本幸理事長は「道はつながってこそ、その役割を果たす。災害頻発化や地域の過疎化もあり、必要性が増してきている」と訴えた。

花角知事は「早期開通への熱意、強い指導を頂いた。国の支援を受けながら、県としても着実に、急いで整備を進めていきたい」と回答。「県政の諸課題」と題して人口減少、医療問題などに触れながら「厳しい財政状況もあるが、知恵と工夫で、県民の皆さんの安心と安全を守り、暮らしやすい活力ある新潟づくりを進めたい」と結んだ。

主催者の上越魚沼地域振興快速道路(安塚・大島間)建設促進期成同盟会の矢野学会長(元安塚町長、元県議)は、「数え切れない特色を持ったこの地域。道路の完成で地域の経済振興がなされ、雇用が生まれ、若い人の定住もなされる」と期待。「全線開通で交通網、物流、医療のシステムの様変わりが考えられる。期待を持って次の世代に全線開通を委ね、早期開通へみんなで手を携え、語り、努力しよう」と呼びかけた。

花角知事が人口減や医療問題などの県内の諸課題について講演。出席者からの、上沼道早期開通の訴えにも応えた

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