父からの連絡は「注意」が多め? 古江彩佳はホステス大会で「ワクワク」のV争い

古江彩佳がホステス大会で優勝争いを演じている(撮影:ALBA)

<ミズホ・アメリカズオープン 3日目◇18日◇リバティ・ナショナルGC(ニュージャージー州)◇6675ヤード・パー72>

ミズホのブランドアンバサダーを務める古江彩佳が優勝争いに加わった。7位から出ると6バーディ・1ボギーの「67」をマークし、トータル10アンダー・3位タイ。首位のネリー・コルダ(米国)と3打差で最終日に入る。

華麗に伸ばしたムービングデーだった。3番で初バーディとすると、6番パー5では2オンに成功。 8番パー5ではウェッジショットでつけて、前半で3つのバーディを奪った。「リズムよくいけた。途中、イヤな流れはあったけれど、最後まで集中してできた」。9番でボギーとすると、13番パー5では2打目を花道に運んでアプローチを「チャンス」につけたが外れてパー。急激に冷え込み、雨が落ちて風も吹き、スコアが停滞しそうな雰囲気が漂った。

そんな流れを次のホールで断ち切った。自由の女神を望む14番パー3で6メートルのスライスラインを読み切ってバーディを奪取。「次のことを考えるようにした。パーセーブをしながら諦めずに、バーディを狙っていきながら。ここ(14番)で流れが変わった」。16番パー4ではドライバーで1オンに成功して2パット、最終18番では残り142ヤードから9番アイアンで右風に持ち味のドローショットを絡めて1.5メートルにつけ、これを決め切った。

上がり5ホールで3バーディ。スタート前には「上も伸ばしてくる。できれば首位と2、3打差、トータル10アンダー前後に持っていきたい」と考えていたというが、その狙い通りのスコアをたたき出した。

2週間前にスポット参戦した日本ツアー「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」では予選落ちを喫した。そのときにコーチである父とスイングの修正に励んだが、それがしっかりとスコアに現れている。

米国でプレーしているとき日本は深夜。それでも父は“テレビ観戦”をして、18ホールが終われば娘にメッセージを送る。「あっちから一方通行。『ここのホールがどうだった』と送られてきて『はーい』みたいな(笑)」。好スコアを褒めるよりも、スイングについての「注意」が多め。それでも「父には悪いのをどうにかしたいという気持ちがあるし、自分にもある。言い訳もちょっとありながら(笑)。でも言うことは合っているので、ちゃんと聞き入れています」。海を越えた父娘の二人三脚こそが、強さを維持する秘訣でもある。

開幕戦から5試合中4試合でトップ10入りを飾ったが、それ以降は上位に食い込めていない時間が続いていた。そのなかで、ホステス大会での優勝争い。「ワクワクのほうが多い」と久々の雰囲気を楽しんでいる。「バーディが出るコースで、わたしもいっぱいバーディを獲るだけ。集中して頑張りたい」。所属の富士通が冠の日本ツアー「富士通レディース」ではアマチュア時代を含め大会3勝を飾っている。いい緊張感を力に変えながら、2年ぶりのツアー2勝目をつかむ。(文・笠井あかり)

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