いわきFC、3戦ぶり勝利 連敗阻止へ山口決めた

【群馬―いわき】後半16分、ヘディングでゴールを決めるいわきのFW山口=正田醤油スタジアム群馬

 サッカーJ2第16節ー。いわきFCは18日、アウェーの正田醤油(しょうゆ)スタジアム群馬(前橋市)でザスパ群馬と対戦し、1―0で勝利、リーグ戦3試合ぶりとなる勝ち点3を手にした。通算成績を7勝5分け4敗とし、順位は暫定で三つ上げ、20チーム中4位に浮上した。

 いわきは0―0で迎えた後半16分、こぼれ球を拾ったMF西川潤のクロスにFW山口大輝が頭で合わせて先制ゴールを決めた。後半は相手にシュートを一本も打たせず、無失点で白星をつかんだ。

 いわきは次戦の26日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で徳島ヴォルティスと対戦する。午後2時開始予定。

いわき 1-0 群馬
(0-0 1-0)

 【評】いわきが後半に攻勢をかけ、拮抗(きっこう)した一戦を制した。前半は互いにシュート1本にとどまる展開となった。後半はいわきが攻撃的な選手を投入、長短のパスを交えた攻撃とハイプレスで主導権を握った。後半16分には、波状攻撃のこぼれ球に対応したMF西川のパスに、FW山口が頭で合わせて先制した。その後も試合を優位に運び、後半は群馬にシュートを打たせなかった。(小磯佑輔)

 相手シュート1本、隙のない守備

 いわきが群馬の分厚い守備を破り、勝利を手にした。「連敗しないため、是が非でも勝たないといけなかった」。決勝点を決めたFW山口大輝は群馬戦への強い思いを明かし、「本当に大きい勝利。ほっとしている」と笑顔を見せた。

 前節はホームで敗れ、「プレーの緩慢さ」が目立っただけに、選手たちはこの試合に懸けるものがあった。「監督からの喝もあり、練習から一人一人の意識が変わった」と山口。田村雄三監督が敗戦を受けて課した厳しいトレーニングを確実にこなし、準備を整えてきた。

 攻撃では左右に揺さぶるパス回しで群馬に押し込んだ。「一人はけが、もう一人は意図的に外した」。田村監督がそう理由を明かす主力のMF加瀬直輝とMF大迫塁の両サイドを欠く中、代わって出場した選手が持ち味を発揮した。

 そして、最後まで隙を見せなかったのが守備だ。群馬に許したシュートはわずか1本。クロスやフリーキックへの対応を見直し、自陣に攻め込まれてもゴール前では相手に自由を与えなかった。

 前節の反省を生かし、勝利をつかんだいわき。田村監督は「(前節後は)私自身も反省の弁を述べ、選手にもきつい言い方をした。選手が辛いトレーニングをしてくれた結果の勝利」と選手をねぎらった。

 この一勝で暫定ながらJ1昇格プレーオフ圏内の4位に再浮上した。山口は試合後、サポーターに向けて力強く語った。「もっともっと勝って、絶対に昇格しましょう」(小磯佑輔)

 西川、絶妙アシスト

 後半から途中出場したMF西川潤が決勝点をアシストした。「プレーの質(の高さ)がゴールにつながった」と手応えを語った。

 後半16分、敵陣深くでこぼれ球に追いつくと、ふわりと浮かせたクロスで折り返し、フリーで走り込んできたFW山口大輝に絶妙なボールを送った。

 コンディションが万全でなかったことから9節ぶりに先発を外れたが、パス回しの中心として攻撃をけん引。途中出場でも存在感を発揮した。西川は次戦へ向け「もっとシュートを打って相手を押し込む攻撃をしていきたい」と誓った。

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