リ・ハナが5試合ぶりムービングデーで躍動 復調のカギは「自分のスクエア」

この日のベストスコアタイ「67」。22歳のリ・ハナがV戦線に上がってきた(撮影:福田文平)

<ブリヂストンレディス 3日目◇18日◇袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(千葉県)◇6731ヤード・パー72>

この日のベストスコアタイとなる「67」をマークしたリ・ハナ(韓国)が首位と4打差のトータル7アンダー・4位とV戦線に浮上した。3月の「ヤマハレディース」を体調不良で棄権。それ以降、大きく調子を落とし、直近は4試合連続予選落ちと苦しんでいたが、一気に復調。開幕戦以来となる上位でのプレーに「楽しい」という言葉を繰り返した。

2日目からボギーなしのラウンドを続けたハナは「風が強くて、グリーン周りのラフが深いのでパーオンすることを意識しています」。よりコンディションが厳しかった初日は9回だったパーオンは2日目14回、3日目13回と高いレベルで安定。チャンスは確実にモノにし、9番パー5で3メートルを沈めたのを皮切りに4連続バーディを奪うと、15番パー5では20メートルの長いバーディパットを放り込んだ。

「グリーンを外したホールもうまくパーセーブできたのが良かったです」。この日の最大のピンチは204ヤードと距離のある17番パー3。グリーンをオーバーした第1打はバンカーのフチに止まった。「スタンスはバンカーの中で難しかったんですけど、ボールを上げてセーブすることができました」。最終日もパーオンを増やし、ボギーを打たないことが目標のひとつとなる。

不振脱出のカギは自分に合ったスイングを意識したことにあった。一例を挙げればアドレス。一般的な理想はスクエアかもしれないが、ハナの場合はスタンスをややクローズにした方がスムーズに振れる。「自分の体の特徴とかを考えずにすべてを真っ直ぐに直そうとしてたんですけど、みんなと一緒ではなく、自分のスクエアを探したのが良かったと思います」と復調の理由を明かした。

1カ月ぶりの決勝ラウンドでリーダーボードを駆け上がったハナは「久しぶりだから楽しいです」と何度も口にした。正午時点の気温は27.1度。「暑いのが好きなので、半袖でプレーできる時期は調子がいい」と今年一番の暑さも大歓迎だった。

最終日は昨年10月以来のツアー2勝目がかかる。「優勝は目標のひとつではあるんですけど、まずは自分のペースでプレーできるように頑張りたいです」。飛躍を遂げた昨季も調子が上がってきたのは5月から。このまま調子を上げていけば、シーズン序盤の遅れは十分に取り返せるはずだ。(文・田中宏治)

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