岡田晃平はプロになって“メンタルチェンジ” 「認めてもらいたい」先輩に続いてルーキーVへ 

首位に2打差で最終日を迎えた岡田晃平(撮影:鈴木祥)

<関西オープン 3日目◇18日◇名神八日市カントリー倶楽部(滋賀県)◇6869ヤード・パー70>
 
「プラン通りいったんじゃないかなと思っています」。ルーキーの岡田晃平が1イーグル・7バーディ・1ボギーの8アンダー「62」を3日目にマーク。トータル10アンダー、首位に2打差で最終日を迎える。

岡田がスタート前に考えたプランは2打目以降のマネジメントだった。「セカンドショットが(グリーンの)奥に行くクセがある。そこをまず絶対におさえて手前から」とグリーンを狙うショットで奥を警戒することだった。

そのマネジメントは徹底できた。「下りのアプローチは残ってないんじゃないですかね」と振り返る。難しい場面を自身から避けることができ、1ボギーでおさめた。しかし、心残りもある。「ティショットが今週少し曲がっていて。若干ラフに行くみたいな…」と予選ラウンドの2日間は曲がることを気にして振り切れなかった。

決勝ラウンドに入ると、そんな気持ち悪さを打開した。「きょうはすごく振り切りよくて、気持ちよくティショットを打てた。メンタルの組み立て方も違ったんじゃないかなと思います」と一日の流れをよくしたのは、不安だったショットが復調したことだった。

さらに、アマチュア時代よりも精神的に強くなったことも要因の一つ。「最近はメンタル面を少しコントロールできるなって。パターを外したり、OBを打っても“死ぬわけじゃない”ので。もしミスっても、また次の試合もあるしって」と、ミスしたときに心の余裕を持てるようになっている。

「アマチュアのときは、出られる試合がすごく大事じゃないですか。年に何回かしか出られないツアーで、結構ビビっていた。やっぱり4日間いきたいので」。いまはQT9位の資格でレギュラーツアーに出場している。国内男子下部のABEMAツアーにも出ているため試合は次々と訪れる。それでも「甘んじたくない」と、「1打を大事にするようにしています」と、いい意味で開き直るメンタルのなかに厳しさも持つ。それが岡田の強さの秘訣となっている。

昨年大会は東北福祉大時代の先輩・蝉川泰果がプロ初優勝を遂げている。「勝ってついて行きたい。僕より全然上なので、レベルを少しでも認めてもらいたい。それは金谷さん、松山さんにもそうです。まだ僕はそこまでいってないので、先輩たちに少しでも追いつけるように頑張りたい」。先輩に続くルーキーVを達成することはできるのか、岡田にとって運命の一日を迎える。

ちなみに、岡田は大会開催前の指定練習日に“野生のキツネ”を目撃し、距離測定器で“エモい”一枚を抑えている。その野生のキツネは見かけると“縁起がいい”とされている。幸運のキツネが岡田のプレーを見守ってくれているかもしれない。(文・高木彩音)

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