世界パラ陸上 アルファベットと数字、たくさんある表記の見方は? 障害の種類や程度でクラス分け

生徒たちが見守る中、女子1500メートル(視覚障害T11)でスタートを切る選手ら=18日午前、神戸市須磨区緑台、ユニバー記念競技場(撮影・笠原次郎)

 神戸市須磨区のユニバー記念競技場で始まったパラ陸上の世界選手権には104カ国・地域の1073人が出場する。できるだけ公平に競うため、障害の種類や程度に応じて競技はクラス分けされ、種目数は168に上る。日本パラ陸上競技連盟などの公式ガイドを参考に「T54」など表記の見方を紹介する。

 頭文字のアルファベットはTとFの2種類。Tはトラックを指し、走る種目のほか走り幅跳びなど跳躍種目が含まれる。Fはフィールドの略で、砲丸投げなど投てき種目だ。

 続く数字のうち2桁目は障害の種類を示す。10番台(写真【1】)は視覚障害、20番台(写真【2】)は知的障害で、ともに立位で争う。

 30番台(写真【3】)は脳性まひで、立位に車いす、投てき台の使用と幅広い。40番台(写真【4】)は低身長や切断(義足未使用)などの選手が立位で競い、50番台(写真【5】)は筋力の低下や関節の可動域の制限などにより、車いすや投てき台を使う。最後の60番台(写真【6】)は切断などによって義足を利用する選手たちが振り分けられる。

 知的障害を除き、数字の1桁目は障害の程度を意味している。数字が小さいほど重い。

 昨年のパリ大会で、日本代表は金4、銀3、銅4の計11個のメダルを獲得した。2021年の東京パラリンピックを機に競技を始めた選手や30歳以下の選手が多く活躍し、パリ・パラリンピックの前哨戦となる神戸大会でも飛躍が期待される。(有島弘記)

© 株式会社神戸新聞社