惜敗フューリー不満「俺が勝った」「10月にまたやる」 9回ダウンも1-2判定の接戦、再戦匂わす

世界ヘビー級4団体統一戦、オレクサンドル・ウシク(右)が判定勝ちした【写真:ロイター】

史上初の世界ヘビー級4団体統一戦

ボクシングの世界ヘビー級4団体統一戦が19日、サウジアラビア・リヤドで開催され、3団体統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)とWBC王者タイソン・フューリー(英国)が激突。ウシクが2-1(115-112、114-113、113-114)の判定勝ちを収め、史上初のヘビー級4団体統一を成し遂げた。9回にダウンを奪っての歴史的快挙。敗れたフューリーは「俺が勝ったと思う」などと不満を示したという。

世界のボクシング界が大注目の一戦。日付が変わり、現地時間19日の真夜中のゴングになった。両者譲らず迎えた9回、ウシクが左フックをお見舞い。ふらついたフューリーに容赦ない連打を浴びせ、ラウンド終了間際に遂にダウンを奪った。12ラウンドを戦い抜いても決着がつかず。接戦となったが、判定2-1でウシクが勝利を手にした。

試合終了直後は健闘を称え合った両者だったが、敗れたフューリーは納得いっていないようだ。英ラジオ局「トークスポーツ」のマイケル・ベンソン記者は自身のXでフューリーのコメントを紹介。「この戦いは俺が勝ったと思う。彼もいくつかのラウンドで勝ったと思うが、大半のラウンドでは俺が勝っていた」と主張したという。

ウシクは戦禍を被る母国ウクライナの思いを背負っての激闘だった。フューリーは「俺らは良い戦いをした。彼(ウシク)の国は戦争中で、人々は戦争中の国に味方する。俺の意見では、間違いなくこの戦いに俺は勝った。再戦条項があるんだ。俺はいいこちゃんにスプリットデシジョンで負けた。10月にまたやるよ。オレクサンドル、よくやった」と再戦を匂わせたという。

ウシクは階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」において、世界で最も権威ある米ボクシング専門誌「ザ・リング」では井上尚弥、テレンス・クロフォードに次いで現在3位。この試合によって順位変動があるかも注目されていただけに、試合後は早くも海外で“論争”が再燃していた。

THE ANSWER編集部

© 株式会社Creative2