JR東日本の機関車を置き換える「新型車両」本格始動! JR西日本では「18きっぷ」にメリットがありそうな変更を発表 今週一週間の鉄道ニュース

E493系(左)とGV-E197系(右)

一週間の鉄道ニュースをご紹介するこの連載。今回は、JR東日本の事業用車と、「青春18きっぷ」の利用にメリットがありそうな制度変更の話題です。

14日、JR東日本のGV-E197系が、12系客車をけん引して試運転する姿が目撃されました。そして17日には、検査のために郡山の車両基地へ入場する久留里線用車両のけん引役として、E493系が初めて充当されました。

GV-E197系とE493系は、ともに国鉄時代に製造された機関車を置き換えるための車両。前者は電気式ディーゼル車で、線路下に敷設する砕石を運ぶための貨物列車のほか、今回のように客車などをけん引する役目にも使われます。E493系は2両編成の電車。こちらは車両のけん引や入換用途で使用される車両です。

JR東日本では、これまで機関車の置き換えスケジュールを公式に発表したことはありませんが、車両基地公開イベントの掲示などで、2024年度までに機関車を全廃するという方針が漏れ聞こえてきます。機関車といっても、「SLばんえつ物語」などの蒸気機関車は対象外。また、GV-E197系とE493系は事業用車であることから、事業用途以外の機関車は今後も残る可能性はゼロではありません。とはいえ、東日本エリアの各地に配置されている電気・ディーゼル機関車たちの役目は、その大部分がまもなく終わりを迎えることとなりそうです。

もう一つは、JR西日本の運賃制度改変に関するニュースです。同社は15日、複雑な運賃体系を見直す動きとして、京阪神都市圏における「電車特定区間」の対象範囲を、2025年4月1日発売分より変更すると発表しました。

電車特定区間は、通常の幹線用よりも割安な運賃を適用する区間。これまでは京都~大阪~西明石間などが対象となっていましたが、同社は今回、野洲~京都間、西明石~網干間なども対象に加えることとしました。一方で、従来区間を含む電車特定区間の運賃改定や、さらに割安な「大阪環状線内」の区分廃止なども予定しています。

この変更で注目したいのは、きっぷの有効期間。JRのきっぷは、通常では「乗車中の列車が0時を過ぎて最初に停車する駅まで」(ただし「継続乗車」などの別途規定あり)利用できます。ただし、電車特定区間内では、0時をまたいでも、最終列車まできっぷは有効となります。

その恩恵を受けそうなのが「青春18きっぷ」。たとえば、大阪駅を23時20分、西明石駅を日付をまたいだ0時3分に発車し、姫路駅に0時24分に到着する新快速の場合、従来のルールでは有効なのは西明石駅まで。姫路駅までそのまま乗車する場合は、西明石~姫路間を乗り越し精算するか、あるいは18きっぷのもう1日分を使用する必要があります。一方、電車特定区間が広がれば、このパターンでも18きっぷ1日分で利用が可能となります。

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