海に転落した男性救助 車両水質汚染など2次被害防ぐ 新上五島署が感謝状

感謝状を受け取った山田さん(左)と橋口さんの妻沙弓さん(中)=新上五島署

 長崎県新上五島町若松港で3月に起きた軽乗用車の海中転落事故で乗っていた男性の救助に貢献したとして、新上五島署は16日、同町間伏郷の潜水士、橋口和由(かずゆき)さん(42)と、同若松郷の無職、山田敬二(けいじ)さん(73)に署長感謝状を贈った。
 同署などによると、若松港内の浮桟橋で3月4日、高齢男性が乗った軽乗用車が海中に転落。沖合約300メートルで潜水作業中だった橋口さんは船上で休憩しており、車が浮かんでいるのに気付いて船で現場に急行。脱出していた男性を自分の船に乗せて救助し、海底に沈んだ車両を潜水作業で引き揚げた。
 山田さんは約350メートル離れた岸壁周辺で船の手入れ作業をしていて事故を目撃。男性の救助を確認後、引き揚げられた車両を自分の船でえい航、陸揚げし、燃料流出による水質汚染などの2次被害を防いだ。
 田川国広署長から感謝状を受け取った山田さんは「車の転落を目撃するのは初めてであぜんとしたが、何をすべきか瞬時に判断できてよかった」と振り返った。
 橋口さんは妻沙弓(さゆみ)さん(37)が代理で受け取った。和由さんは取材に「男性が無事でよかった。今後も地域のために役立つことができるよう尽力したい」と話した。

© 株式会社長崎新聞社