G7首脳の芳名録、島根県出身の刀匠制作の贈呈品、円卓など96点を常設展示 広島に「G7サミット記念館」開館

実際に使用された円卓と椅子=広島市中区、G7広島サミット記念館

 広島県で昨年あった先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の開幕日から1年となる19日、広島平和記念資料館(原爆資料館、広島市中区)の北隣にサミットの記念館が開館する。会議で使用した円卓や椅子、各国首脳が資料館を訪れた際に記帳した芳名録(レプリカ)など、96点を常設展示する。入館無料。

 芳名録は岸田文雄首相やバイデン米大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領らが記帳。ゼレンスキー大統領は「現代の世界に核による脅しの居場所はない」と強い言葉を書いた。島根県邑南町出身の刀匠・三上貞直さんが首脳への贈呈品として制作した、玉鋼ペーパーナイフも展示する。

 記念館は官民でつくる広島サミット県民会議が約5千万円で整備し、鉄骨平屋111平方メートル。広島市が管理し、年間20万人の来場を見込む。同会議の湯崎英彦会長(広島県知事)は「各国首脳の核兵器廃絶への思いを受け止め、平和について考える契機になればと思う」と呼びかける。

 19日は午前に記念式典があり、正午ごろに一般公開される。サミットが次回日本である2030年の年末まで運営した後、建物を撤去する予定。展示物の扱いは今後検討する。

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