「あなたが眠っている間」チュ・ジャヒョン、念願のロマンスジャンル出演に“贈り物のような作品”

写真=ツイン劇場プラスパートナー

チュ・ジャヒョンが、15年ぶりに韓国映画で帰って来た。

2018年にSBS「同床異夢」に夫のユー・シャオグァンとサプライズ登場して以降、2019年からドラマ「凍てついた愛」「グリーン・マザーズ・クラブ」「シスターズ」を通じて、抜群の演技力を披露して厚いファン層を確保した。そんな彼女の映画出演決定のニュースに、韓国国内外のファンの反応は熱かった。今回の映画は、出演すること自体に意味があると言ったチュ・ジャヒョン。彼女は「映画館で公開することができて、心から感謝しています」とし、「なんだか規模が大きくなった気がして恥ずかしいです」と明るく笑った。

最近、マイデイリーはチュ・ジャヒョンに会って彼女の新作「あなたが眠っている間」と、役者としての人生についてインタビューを行った。

同作は、交通事故で選択的記憶喪失になったドクヒ(チュ・ジャヒョン)によって、幸せだった夫婦に不幸が訪れる。そんな中、夫であるジュンソク(イ・ムセン)の謎の行動が明らかになり、真実を追跡していくミステリーロマンスジャンルの映画だ。

1997年の最高のヒット作だった映画「接続」をはじめ、「Some」「ファン・ジニ」「珈琲」などの作品を演出したチャン・ユンヒョン監督と、抜群の演技力を誇る俳優のイ・ムセン、チュ・ジャヒョンのケミ(ケミストリー、相手との相性)に、映画ファンの期待が高まった。

この日、チュ・ジャヒョンは「中国で活動する時には、ほとんどがロマンスジャンルでしたが、なぜか韓国では強くて個性のあるキャラクターを中心に演じてきました。唯一のロマンス物が『同床異夢』でした」と笑った後、「機会があれば、韓国でロマンスジャンルに出演したいと思っていました。さらに年を取るとできないので。そう思っていたところに、ちょうど監督さんからシナリオを貰いました」と、作品に出演することになったきっかけを明かした。

写真=ツイン劇場プラスパートナー

同作はコロナ禍の中で制作されたため、予算も限られており、撮影期間は1ヶ月もなかったという。チュ・ジャヒョンは、ギャラは高くはなかったが、希望していた“40代のロマンス”だったため、この作品に出演したかったと伝えた。

「20代と30代の頃には、様々な役を演じたいと思っていましたが、ロマンスにはあまり関心がありませんでした。その時は、ただ演技が上手くなりたくて、それ以外の作品により集中していました。そのような状況で、中国でロマンス物にたくさん出演することになり、海外の俳優さんと外国語で演じているにもかかわらず、感情がストレートに伝わってきました。なので、韓国でも韓国語でロマンス演技をすることになったら、どれほどストレートに表現できるのか気になりました。実は私は夫に出会う前は、愛を信じていませんでした。なので、愛を信じるようになった30代後半と40代に感じたその感情を、表現したくなりました。ようやく信じることができた愛の演技を(演じたかったのです)。もし、この作品も単純な恋愛だけで終わる物語だったとしたら、そんなに惹かれなかったと思います。しかし、すでに結婚した夫婦のロマンスだったので、絶対に出演ししたいと思いました」

ただし、映画のジャンルがロマンスではなくミステリーだったため、ある程度、未練が残ると彼女は語った。

「初々しくて甘いシーンが少なくて、残念でした。イ・ムセンさんともっと甘い雰囲気をお見せしたかったのですが……。なので。相手俳優がイ・ムセンさんになるかはわかりませんが、いつかそんなに真剣ではない、初々しい中年の分別のないロマンスもやってみたいです(笑)」

写真=ツイン劇場プラスパートナー

彼女は「久しぶりのロマンス復帰作なので、ときめきも大きかったですが、作品の撮影過程がそんなに単純ではありませんでした。すべてのシーンが大変でした」と告白した。

「ドクヒという人物が、ある意味では貧乏な家庭で育ったと言えますが、そのような環境で育った人々は、思ったよりも強いです。強いからと言って傷つかないとは言えませんが、傷ついた部分を隠して、自ら問題を解決する能力が優れていると思います。ドクヒもそのような人物の一人です。なので、過去のシーンで堂々と行動します。でも、ジュンソクを愛することになり、過去のことに簡単に言及できなくなってしまいます。私も結婚して、子どもがいる母親なので、感情表現が大変でした。もし、私が未婚で子どもがいなかったら、監督さんと話し合って、演技でだけドクヒを表現することができたはずなのに、『実際に経験したのだから、リアルに表現しないと』と、考えました。でも、『観客の皆さんが共感してくれるかな?』と心配になりました。オーバーに演じているように見えるんじゃないかと。その部分を気にしながら撮影するのが大変でした」

インタビューの最後に、彼女にこの作品に込められた意味を尋ねると、彼女は迷わず「40代の自分への贈り物」と答えた。

「信じてくれないかもしれないですが、私はデビューからこれまで一度も成績について考えたことはありません。ただ、演技に集中して撮影しているだけでした。私は自分が後悔しないように演じたか、また、一生懸命に演じることができたかに焦点を合わせるタイプです。この作品も『たくさんの観客の皆さんに観ていただきたい』というよりも、さらに年を取る前に、この作品に出会えてよかったと思っています。この気持ちが観客の皆さんに伝わって、一緒に味わうことができるならそれでいいと思っています。私も作品をモニタリングして、次回作でで欠点を補って、深みのある演技を見せることができたら、私の俳優人生が末永く続くのではないかと期待しています。40代の私にとって贈り物のような作品です」

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