幡地隆寛が悲願初V 祝福のウォーターシャワーで感無量「ようやくかけられる側に…」

念願の初優勝で笑顔を見せる幡地隆寛(撮影:鈴木祥)

<関西オープン 最終日◇19日◇名神八日市カントリー倶楽部(滋賀県)◇6869ヤード・パー70>

ツアー屈指の飛ばし屋がついに栄冠をつかんだ。首位と1打差で出た幡地隆寛が5バーディ・2ボギーの「67」をマーク。トータル14アンダーで逆転し、悲願のツアー初優勝を果たした。

「本当に苦しい一日だった。リードしていると分かりつつも、切羽詰まったような展開。最後ようやく解放された気持ちでした」

その言葉通り、前半は苦しんだ。3番パー3から2連続ボギー。8番で1つ取り返したものの、後続のチャージによって一時は首位に4人が並ぶ混戦となった。1打リードで後半を迎えた幡地だったが、難関・名神八日市CCにおいては吹けば飛ぶようなリードだ。

ただ、後半ではそんな大混戦に風穴を開けた。11番から2連続でバーディを奪うと、15、16番で再びの連続バーディ。最終組でともに回った清水大成、平田憲聖が苦しむのを尻目にトップを走り続け、終わってみれば2位以下と3打差の快勝だった。

優勝を決めた直後、グリーンサイドで待機していた仲間たちから祝福のウォーターシャワーを浴びた。「気持ち良かったですね(笑)。(水を)かける側から、ようやくかけられる側になった」。これこそが勝者の特権だ。

かねて米ツアーへの挑戦を表明しており、近年はアジアンツアーにも積極的に参戦。今年3月には「ニュージーランドオープン」で初勝利を挙げた。にわかに高まっていた国内ツアー初優勝への期待に、見事に応えて見せた。

「(この優勝で)ようやく複数年シードを取ることができた。海外ツアーに挑戦するにあたって、余裕ができたと思っています。海外でも通用するように、もっと練習を頑張っていきます」。日本が誇る飛ばし屋が、また一歩夢への舞台に近づいた。

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