【池上彰さん解説】G7広島サミットから1年・経済効果は? 平和公園中継も

G7広島サミットの開催から1年。サミットは広島に、世界に何をもたらしたのでしょうか。

平和公園から中継とともに、経済面への影響を見ていきます。

■小田成実リポート

「広島市内の靴下販売店です。お店の前に並んでいるのは、カープのロゴが入った靴下。イギリスのスナク首相が履いていたのと同じものです」

それは、サミットの前日。岸田総理との会談で、イギリスのスナク首相が披露したのが…

■スナク首相

「Hiroshima Carp!」

■岸田首相

「Thank you so much.」

大のカープファン、岸田総理への粋な計らいでした。

その翌日には同じ商品が売り切れに。1か月後の再入荷には長い列ができました。

あれから1年、人気は衰えていませんでした。

■靴下屋 広島本通り店 村井沙都子オーナー

「6月7月9月…、何度も再販をしまして、そのたびに売り切れて大反響いただきました」

今月、広島とベトナムの首都・ハノイが空の便で結ばれました。

ベトナムのチン首相がサミットの招待国として広島を訪れた際、新路線の開設を明らかにしていました。

広島空港の国際線としてはコロナ禍以降、初の新規路線です。

ベトナムとの交流が増すなか、関係者の念願が実現しました。

サミット初日に実現したのがG7の首脳たちによる平和公園訪問です。

今、その場所には多くの観光客。とりわけ、外国人が目立ちます。

原爆資料館には昨年度、198万人あまりが訪れ過去最多を更新しました。その3分の1を外国人がを占めました。

広島市はサミットを通じて世界からの認知度が高まったことが要因だと分析。

あまりの混雑ぶりにインターネットで入館チケットを事前に購入できるようにしました。

慣れない手つきでへらを持つ海外からの御一行。この店では、広島のソウルフードお好み焼きづくりを体験できます。

店はサミット期間中、ある首脳が訪れて話題になりました。

それは…再び登場、スナク首相です。

スナク首相の来店に加え、新型コロナの制限緩和や円安も後押し。先月は、訪れた人の半数以上が外国人でした。

■OKOSTA 上川遥可店長

「スナク首相がいらっしゃって、実際私たちがもともと海外の方に広めたかったお好み焼きの普及が、今活動ができているので、すごくありがたいなと思っています」

開催から1年。

サミットは今も広島の経済に大きな効果をもたらしています。

ところで…スナク首相が履いていた「カープソックス」にはこんな後日談がありました。

■靴下屋 広島本通り店 村井沙都子オーナー

「昨年10月ごろに東京の英国大使館様からご連絡いただいて、クリスマスツリーに飾らせてもらいたいということで」

去年12月、駐日イギリス大使館のSNSに上がった動画。あの「カープソックス」がクリスマスツリーに飾りつけられていました。

■村井沙都子オーナー

「日英の友好の懸け橋になれたのかなとうれしく思っています」

【スタジオ】

(池上さん)

ソックスの中に「平和」というプレゼントがあるとよかったですね。

サミットが世界中に発信され、広島に行ってみようという方が増えた。とりわけ日本が人気なので、日本に行くならどうせなら広島にという方が多いですよね。

(2024年5月19日放送)

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