【陸上】セイコーGGP 1500m4位の田中希実が明かした葛藤「世界のレベルは…」

女子1500Mで4位の田中希実(右)

陸上女子1500メートルで東京五輪8位入賞の田中希実(ニューバランス)は〝己の葛藤〟と懸命に向き合っている。

19日に東京・国立競技場で行われたセイコー・ゴールデングランプリの同種目では、序盤から先頭集団でレースを展開。残り700メートル付近で先頭に立つも、最後の100メートル付近で外国人選手に抜かれ、4分7秒39の4位でフィニッシュ。パリ五輪の参加標準記録(4分2秒50)に届かず「ラストの700で押し切れるような力が今はまだなかった。タイムという部分も上げられなかったので、そこを上げていけるかどうかが課題かな」と反省点を口にした。

かつての本紙インタビューでは「パリ五輪は1500メートルと5000メートルで出られたら、2種目とも決勝に残ることが目標になってくると思う」とコメント。世界のトップを見据えた上で練習に励んでいるが、以前とは違う壁にぶつかっているという。「今までは本当の意味の壁には当たっていなかった。怒りをぶつけたりとかしたら打開できたけど、今は怒りをぶつけるだけで打開できないところに来てしまっている」と唇をかんだ。

自身のパフォーマンスには「危機感がある」と切り出し「今までの自分と比べた時にはまずまずかなと客観的に見たら思うけど、世界のレベルは、オーストラリアはもうすでに4分を切っている人が5人もいる」と率直な思いを吐露。思うような走りをできない現状に悔しさをにじませた。

それでも「大会になると練習以上の力を出す部分ができていないので、感覚を一致させるのがポイントになる」とすぐさま自己分析。真夏の祭典に向けて、一つずつ課題を埋めていく。

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