2024年5月19日、FC町田ゼルビアが東京ヴェルディに5-0と圧勝。黒田剛監督が「我々の意図するサッカーを実践できた」と試合後に話したように、パーフェクトと言っても過言ではない内容で東京クラシックを制した。
指揮官はこの日の勝因について以下のように答えた。
「同じ東京のチーム、今季ともにJ1昇格したということで、お互いにプライドを持っての戦い。魂と魂がぶつかり合う部分が大枠で勝負どころでしたが、選手たちの気迫が前半から出ていました。球際の争い、インターセプトを含めボールを中央のエリアで奪い、そして攻撃に転じることができました」
「実際、点差ほどの差はない」と相手をリスペクトしつつ、黒田監督は言葉を継ぐ。
「(後半の)PKを含め我々からすれば良いように試合が回ってくれて、いろんな意味で選手たちは素早い切り替えで対応してくれました。運よく入ったシュートもあれば、しっかりと崩して決めたものもあります。これこそが町田のゲームスタイルでありますし、チームのやるべきことが浸透してきました」
そんな黒田監督が強調したのは「日常」である。
「日常を変えるのが春先からのテーマでした。日常の強度、24時間、365日をしっかりとマネジメントすること。自分のサッカーに向き合いながら生活すること。これをしっかりとやっていくと、1か月、2か月、3か月というタイミングで必ず上昇気流に乗る時が来ると。そう選手たちに言ってきましたが、まさに上昇気流に乗った感じで、ブレなく、無駄なく、我々のサッカーを実践できたところに手応えを感じます。(今季J1での)15節の中で一番しっくりしたゲームでしたし、見ている人たちにも感動を与えられたと思います」
日々の積み重ねでチーム力を高めてきた成果が出たゲームと言えた。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)