十文字映画祭 「津山―真庭―横手 まちをあむ上映会」 実行委2人来津/岡山・津山市  

秋田県横手市十文字町で32年続く十文字映画祭の出前映画祭「津山―真庭―横手 まちをあむ上映会」が17、18の両日、岡山県津山市のミニシアター・城東津山シネマで開かれた。同映画祭実行委の2人が来津し、土地に根差した映画の魅力を通して市民らと交流を深めた。

同映画祭実行委主催、津山街デザイン創造研究所、津山国際環境映画祭実行委協賛企画。俳優柄本佑さんが監督した『帰郷★プレスリー』(09年)、岡部哲也監督の笑いあり人情ありのロードムービー『ミスりんご』(20年)などオール十文字・横手ロケ短編連作4本と、真庭市在住でミニシアター・ビクトリィシアターを主宰する山崎樹一郎監督作品『新しき民』(14年)を上映した。上映前には山崎監督らのゲストトークもあった。

ともに同映画祭スタッフで公務員の光岡康寛さん(39)と、簗瀬亮朋さん(48)が企画した。光岡さんは真庭市久世出身で、津山高校卒。21年に津山国際環境映画祭、真庭で23年にニューガーデン映画祭が始まったのを受け、関係者らと情報交換してきていた。今年2月には津山発のご当地映画の上映会を横手市で開いており、津山国際環境映画祭実行委のメンバーが訪れている。

15年来の同映画祭スタッフだという簗瀬さんは「使命感ではなく、制作側も、観る側も心底楽しんでいて、面白いから続いている映画祭。この魅力を多くの人に伝えたい。横手には重伝建があり、城東に来られたこと、映画を通して津山、真庭とつながれたことをうれしく思う」、光岡さんは「一連の映画には、古里を出て行った人と、残った人というテーマがある。私は古里を出ていった人間。外から見ることで、気が付くことがある。皆さんの古里の魅力に気が付くきっかけになれば」などと語った。

同上映会は城東津山シネマの皮切りイベントとして開催された。同ミニシアターを運営する津山街デザイン創造研究所・山本昇所長(65)は「映画を通して出会った三つの都市をあむ。新たな物語の始まりに感謝したい」と話した。

映画についいてインタビューを受ける山崎監督

© 津山朝日新聞社