高齢化が進む商店街に活気を再び…理事長が一念発起 古民家改装した「カモダベース」が人の流れを生む

古民家を活用した「カモダベース」。店内で飲食もできる=姶良市加治木町本町

 商店街の活気を再び-。鹿児島県姶良市加治木の「かもだ通り商店街」に、市内など十数店舗の個性豊かな弁当や総菜、パンを売る「カモダベース」がオープンし、にぎわっている。木造平屋の古民家を改修し、週末や夜間は貸しスペースとして催しや教室に活用。高齢化が進み店が減る街に新たな人の流れを生みだしている。

 かもだ通り商店街協同組合理事長で、めがね・時計店を営む水田繁さん(45)が、通りにある古民家に台所やテーブルを設け、昨年8月に始めた。

 通りの活性化を狙い、外部の店を呼び込んで一昨年秋から週1回、テントで販売したのが発端。徐々に参加店が増えたため、イートインでき、飲み物も提供する「ベース」の開店に踏み切った。

 水田さんと同世代からの出品が多く、地元食材を使った弁当や加治木まんじゅうをイメージしたパウンドケーキなどが並ぶ。営業は平日午前11時から午後5時までだが、1時までに完売することもあるという。

 昼食に訪れた県姶良・伊佐地域振興局の農業技師、古江亜衣子さん(30)は「いろんな店を食べ比べるのが楽しい。古い家の雰囲気もよくて落ち着く」。

 貸しスペースとしても、雑貨店や飲食店によるマルシェから、韓国語講座や小学校の保護者会まで幅広く利用されている。水田さんは「『ベース』から通りの空き店舗への出店者が出てくれば」と期待している。 

「カモダベース」を開いた水田繁さんと店を手伝う妻・香織さん

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