レッドブル育成ハジャルが今季2勝目飾る。マクラーレン育成ボルトレートが2位/FIA F2第4戦レース2

 5月19日、2024年FIA F2第4戦イモラのフィーチャーレース(決勝レース2)が行われ、アイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)がFIA F2通算3勝目、今季2勝目を飾った。16番手スタートの宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)は15位となった。

 フィーチャーレースのグリッドは17日に行われた公式予選で決定され、前年のFIA F3チャンピオンの新人ガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング/マクラーレン育成)が、開幕戦サクヒールに続く自身2度目のポールポジションを獲得。フロントロウ2番手にオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)、2列目3番グリッドにハジャル、4番グリッドにアンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)が続いた。

 今大会のタイヤコンパウンドはプライムタイヤがミディアム(イエロー)、オプションタイヤがスーパーソフト(パープル)となるなか、上位グリッド勢は総じてオプションタイヤをスタートタイヤに選択。タイヤ交換義務を有する周回数35周で争われるフィーチャーレースは、快晴のもと、気温20度、路面温度30度というコンディションで幕を開けた。

 ポールスタートのボルトレートだったが、蹴り出しで大きく出遅てしまう。その間にフロントロウから抜群の蹴り出しを見せたベアマンがトップに、そしてハジャルが2番手に浮上。さらに5番グリッドスタートのジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)が3番手に浮上し、4番手にボルトレート、5番手アントネッリ、そして6番手にポイントリーダーのゼイン・マローニ(ロダン・モータースポーツ/ザウバー育成)というオーダーに。

 一方、2周目のターン3(タンブレロふたつ目)でコースオフを喫したデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)が、続くターン4で17番手走行中の宮田のそばに強引なコースバックをし、宮田はそのあおりを受けてコースオフを喫し、21番手までポジションを下げてしまう。

 前日のスプリントレース同様に、隊列は数珠繋ぎとなり、オーバーテイクもなく均衡状態が続いた。そんななか、7周目に2番手ハジャル、3番手デュルクセン、6番手マローニらがピットイン。

 その様子を見たトップのベアマンを筆頭に、ボルトレートらオプションスタート勢の残る全車が翌8周目にピットイン。しかし、ベアマンはピットでまさかのエンジンストール。再始動にかなりの時間を要し、21番手でコースに復帰。優勝争いから離脱する結果に。

2024年FIA F2第4戦イモラ オリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)

 見た目上のトップのアムーリ・コルデール(ハイテック・パルスエイト)をはじめ、プライムスタートの6台がステイするなか、タイヤ交換組の上位はハジャル、ボルトレート、デュルクセン、アントネッリ、フランコ・コラピント(MPモータースポーツ/ウイリアムズ育成)というオーダーに。なお、マローニはピットでロスがあったか、タイヤ交換組の8番手まで後退している。

 レース中盤、ステイ組、タイヤ交換組も総じてプライムタイヤを履いた状況となったこともあり、コース上は順位変動もなく、長く均衡状態が続いた。そんななか、タイヤ交換組7番手ロマン・スタネ(トライデント)の背後にマローニが接近するも、スタネは見事にマローニを抑える。

 マローニはスタネを攻略できず周回が続き、その間にマローニの背後にはジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル/アストンマーティン育成)、リチャード・フェルシュフォー(トライデント)、デニス・ハウガー(MPモータースポーツ)が数珠繋ぎとなり、隊列を形成する。

 スタネをなかなか抜けないマローニに対し、痺れを切らしたクロフォードが21周目にマローニを攻略し、タイヤ交換組の8番手に浮上する。ただ、そのクロフォードもなかなかスタネを攻略できず、26周目にようやく先行することが叶った。

2024年FIA F2第4戦イモラ アイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)

 一方、事実上のトップ争いとなるハジャルとボルトレートは、1分30秒という好ペースを刻み続けたが、27周目には2台の差が1.2秒となり、ボルトレートはDRSが使えない状況となり、そこからギャップが徐々に広がりはじめる。

 30周目にステイ組4番手のファン・マヌエル・コレア(ダムス・ルーカスオイル)がピットに入ると、翌31周目はコルデール、ジョセップ・マリア・マルティ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)、ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)ら、ステイ組が続々とピットイン。

 ただ、タイヤ交換を終えて動き出したコルデール、そしてマルティのマシンからそれぞれ左リヤタイヤがはずれ、2本のタイヤがピットレーンを転がる事態に。幸いチームスタッフに直撃する事態は避けられたが、かなり危険な状況だった。これでコルデールとマルティはリタイアとなった。

 全車がタイヤ交換を終え、一時はギャップの開いていたハジャルとボルトレートの戦いは白熱。再びDRS使用可能となったボルトレートはハジャルに仕掛けるタイミングを図る。

 ファイナルラップとなった35周目、2台はテール・トゥ・ノーズとなったが、タイヤが限界を迎えたなかで巧みな走りを見せたハジャルが通算3勝目、今季2勝目を飾った。0.569秒差の2位にボルトレート、そして13.736秒差の3位にデュルクセンが続き、AIXレーシングがチームとしての初表彰台、そして今季初ポイントを獲得した。

 ポイントリーダーのマローニは11位でポイント獲得ならず。そして、接触を避けるべくコースオフを喫し、21番手までポジションを下げた宮田は15位までポジションを上げてチェッカーを受けた。

 2024年FIA F2、次戦となる第5戦は5月23〜26日にモナコのモンテカルロ市街地コースで開催される。

■2024年FIA F2第4戦イモラ フィーチャーレース正式結果

Pos. No. Driver Team Time/Gap

1 20 I.ハジャル カンポス・レーシング 54’01.509

2 10 G.ボルトレート インビクタ・レーシング 0.569

3 24 J.デュルクセン AIXレーシング 13.736

4 4 A.アントネッリ プレマ・レーシング 18.034

5 12 F.コラピント MPモータースポーツ 18.489

6 17 P.アーロン ハイテック・パルスエイト 18.815

7 7 J.クロフォード ダムス・ルーカスオイル 20.737

8 8 J.コレア ダムス・ルーカスオイル 21.240

9 1 V.マルタンス ARTグランプリ 28.364

10 22 R.フェルシュフォー トライデント 33.507

11 5 Z.マローニ ロダン・モータースポーツ 34.107

12 11 D.ハウガー MPモータースポーツ 34.346

13 2 Z.オサリバン ARTグランプリ 37.657

14 9 K.マイニ インビクタ・レーシング 37.957

15 6 宮田莉朋 ロダン・モータースポーツ 38.402

16 15 R.ヴィラゴメス ファン・アメルスフォールト・レーシング 42.357

17 14 E.フィッティパルディ ファン・アメルスフォールト・レーシング 43.055

18 23 R.スタネ トライデント 43.575

19 3 O.ベアマン プレマ・レーシング 44.017

20 25 T.バーナード AIXレーシング 44.786

– 16 A.コルデール ハイテック・パルスエイト DNF

– 21 J.マルティ カンポス・レーシング DNF

・ファステストラップ:#1 ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ):1分29秒580(34/35)197.280km/h

2024年FIA F2第4戦イモラ アイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)
2024年FIA F2第4戦イモラ ガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング/マクラーレン育成)
2024年FIA F2第4戦イモラ ジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)
2024年FIA F2第4戦イモラ フィーチャーレース表彰式

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