本拠地で巨人を3タテ―。19日、広島は巨人戦(マツダ)に9―3で逆転勝ちをおさめ、今季最多の貯金3、巨人を抜き、単独2位に浮上した。
昨季11本塁打の和製大砲が、今季初アーチでチームを勝利に導いた。先発・アドゥワが初回に3点を取られた直後、1点を返した後に迎えた二死一、二塁。末包昇大が巨人の下手投げ・高橋礼のスライダーを完璧に捉えた。「行ったかな?と。あとは行ってくれ、という感じでした」と高々と舞い上がった打球は、本拠地の左中間最深部に飛び込んだ。
新井監督は「そろそろ打つころかな、とこっちも思っていますし、本人も『そろそろ打ちます』と言ってました(笑い)。やっぱりホームランは一振りで空気を変えられる」とニッコリ。値千金の今季1号逆転で3ランで4―3と試合をひっくり返すと、中盤以降は赤ヘル軍団の独壇場だった。
4回には巨人の2番手・井上から林、秋山の適時打で2点、5回には3番手・平内から坂倉、末包の連打に敵失と犠飛を絡め、さらに2点、6回には菊池がダメ押しの今季2号を叩き込み、11安打9得点。今季初の猛打賞、3打点と打線をけん引した末包を中心にした打線の覚醒劇で今季初の同一カード3タテを決めた。
打線の大量援護をバックに6回途中まで、初回の3失点のみで踏ん張った先発・アドゥワは今季4勝目。右腕のあとを受けた2番手・森浦は無死一、二塁から圧巻の3者連続三振で見事な火消しを披露するなど、中盤以降は巨人を投打で圧倒し、今季最多の貯金「3」で2位に浮上した。
週明け21日からは本拠地で首位・阪神を迎え首位攻防3連戦。2年目の新井カープが今季初めてセの〝主役〟に躍り出るチャンスが到来した。