「38歳でもまだやれる」陸上・上野裕一郎、1月に選んだ新天地で見据える目標 立大監督からランナー復帰

男子5000メートルで日本人選手トップの2位に入った上野裕一郎

◆陸上・九州実業団選手権最終日(19日・黒崎播磨陸上競技場)

男子5000メートルで、上野裕一郎(ひらまつ病院)が13分54秒77で日本人トップの2位だった。2009年世界選手権代表の38歳は、07年に記録した自己ベストの13分21秒49には及ばなかったものの「日本人トップを取れたことは自分の陸上人生の糧になった」と語った。ニクソン・レシア(西鉄)が13分48秒56で優勝した。

暑さと強風に各選手がタイムを伸ばせない中、上野は先頭グループ後方をキープ。「想定より射程圏内だったので取りに行こうと」と最終ラップでスパート。駒大で主将を務め、箱根駅伝などでも活躍した山野力(九電工)をわずかにかわした。

長野県出身の上野は09年の日本選手権で1500メートルと5000メートルの2冠を達成。エスビー食品とDeNAを経て立大陸上部の男子駅伝監督を務めた後、今年1月、ひらまつ病院に選手として加入した。

6月の日本選手権を目標とするが「現在の持ちタイム(13分32秒台)では少し厳しい」と現状を見つめる。重視するのは、チームとして今秋の九州実業団毎日駅伝で好成績を収め、来年元日の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)に出場することだ。「過去最高だった今年の24位を少しでも上回りたい。主要区間をしっかり抑えれば、そういうところ(順位)が見えてくると思う」と意気込む。

ニューイヤー駅伝には苦い記憶がある。DeNA時代の18年、1区を任されながら区間31位に終わった。仲間の挽回でチームは6位入賞を果たしたものの「大ブレーキになってしまった」と唇をかむ。上野は「1区でリベンジを果たしたい気持ちもある。38歳でもまだやれるんだぞっていうところを見せて、チームを上位に導けるよう、今の自分ができることを必死に頑張りたい」と表情を引き締めた。(山崎清文)

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