3回無死、左前打を放つ栗原(撮影・西田忠信)
◆ソフトバンク2×―1西武(19日、みずほペイペイドーム)
ソフトバンクの栗原陵矢内野手(27)が難敵の武内夏暉相手に3打数2安打と奮闘した。1打席目は内角の直球を逆方向へ、2打席目は緩い変化球を右前に運んだ。
3、4月の打率は2割1分3厘と苦しんだ。「いろいろなことをやった。もっと打ちたいっていうか、もっとこういう打球を打ちたいってやっていった結果、いろいろ変わっていってしまって、自分のバッティングじゃなくなっていった」と振り返る。逆方向への長打を求めて、はやりのスイングやメジャーリーグの打者を参考にしたスイングを取り入れようと模索したという。
そんな中、5月に入ってから36打数14安打で打率は3割8分9厘。通算打率も2割6分2厘まで戻し、復調の兆しを見せ始めている。好調の理由について「自分の中では大きく変えたところはいっぱいある。自分のスタイルってこうだよね。こういう打球だよねっていうところに戻した」と話す。
ただ、2021年に21本放った本塁打は、今季開幕してから153打席でいまだ「0」。小久保裕紀監督も「ホームランが打てるバッターが出ていないというのは気持ち悪いだろうけど、難しいところ。狙いにいって調子を落とされても困る。求めるところは20本以上打った実績のある選手なので、そういう長打が出てくれると、なおいいなという感じ」と期待している。
一方の栗原は「ホームランを打ちたいですけど、ホームランを打つバッターはいっぱいいるし、何とか後ろにつなぐとか、ここ一本というところで打てるバッターになりたい」と、置かれた役割を全うすることに全力を尽くす。己を見つめ直し復調を見せるだけに、そのうちおのずと結果もついてくるだろう。
(大橋昂平)