コスパ、タイパに続くトレンド「スペパ」とは? 家事のプロが提案する「スペパ最強」な暮らし方

暮らしのトレンドは、コスパ(コストパフォーマンス)、タイパ(タイムパフォーマンス)と続き、次にやって来たのは「スペパ(スペースパフォーマンス)」。「スペパが良い」とはどういうことかをご紹介します。

コスパ、タイパに続く「スペパ」って知ってる?

コスパ(コストパフォーマンス=費用対効果)は従来、ビジネスの世界で使われていた言葉ですが、いつの頃からか一般の消費行動の中でも使われるようになりました。安い、お値打ち価格という意味ではなく、あくまでもその価格に対して高い効果を得られるものがコスパの良い商品となります。 それにならい、ここ数年で使われるようになったのが「タイパ(タイムパフォーマンス)」。費やした時間に対してどれくらいの効果があるか、満足度が高いかという意味として主にZ世代が使っている言葉です。 そして、2023年あたりからちらほらと見かけるようになったのが「スペパ」。スペパとはスペースパフォーマンスのことで、一定のスペースをどれだけ有効活用できているかという意味のほか、コンパクトなのに使い勝手が良いものを指す場合にも使われるようです。場所を取らない優秀なグッズに対して「スペパが高いグッズ」などといいます。 今回はそんなスペパの高いグッズや、スペパの良い暮らし方について考えてみたいと思います。

デッドスペースを有効活用してスペパを高める

「デッドスペース」とは、そこに空間があるのに使うことができていない空間のこと。ここを有効活用できれば、スペパが高くなるといえるでしょう。

突っ張り棒と棚を利用してデッドスペースを活用する

昔からあるスぺパ向上手段の1つに、突っ張り棒でデッドスペースを活用するというものがあります。最近では、突っ張り棒に乗せて使える棚も売っているので、それを利用することで空いている場所に棚を作り、スペパの高い空間にすることができます。

収納の奥をデッドスペースにしない使い方

また、デッドスペースになりがちな、手が届かず、物が取りづらい収納の奥は、トレーなどを引き出しのように使うことでスペパが良くなります。例えば、100円ショップの缶飲料用ホルダーに水筒を差し込んで収納すると、取っ手を引っ張ればまとめて出てきてくれるので、奥の水筒も簡単に取り出せるようになり、デッドスペースは解消されます。

スペパを考えて作られている製品を活用する

現在では、スペパを考えて作られている製品も数多く販売されています。 筆者は、災害用の備蓄トイレットペーパーを、日頃は手が届かない棚の1番上のスペースに収納しています。従来品では、シングル1ロールで60メートル、12ロール入りを3袋、合計36ロールが入ります。長さにすると2160メートル分のトイレットペーパーです。

上:従来品、下:無印良品「再生紙トイレットペーパー5倍巻 シングル」をそれぞれ収納した場合。同じ長さでもこれだけスペパ良く収納できた

最近、無印良品から「再生紙トイレットペーパー5倍巻 シングル」(税込180円)が登場しました。5倍巻とあるように、シングル1ロールだけで250メートルもあります。従来品と同等の長さを備蓄するとなると、シングル9ロールだけで済んでしまいます。 キリよく10ロールにしても、従来品を収納していたときと比べると、かなり空間が空きました。無印良品の5倍巻きトイレットペーパーはまさにスペパの良いアイテムといえるでしょう。

箱なしティッシュはスペパがいい上、家事の時短にもなる

ティッシュペーパーも同様です。従来のティッシュペーパーは箱入りで、その分かさ張っていましたが、最近は箱なし、ビニールによる梱包のティッシュペーパーも増えてきています。 筆者は早くから箱なしティッシュペーパーを発売していたイオンのトップバリュ「外箱を省いたティシューペーパー」(税込251円)や無印良品「竹100%ティシューペーパー」(税込199円)を愛用しています。 箱なしティッシュペーパーはスペパが良いだけでなく、使い終わったあと箱をつぶす手間も減るので家事の時短にもつながります。

多機能なものを使うことで物を少なくしスペパを高める

1つでいくつもの機能がある多機能グッズもスペパの高いグッズです。例えば、ダイソーの「多機能トング」(税込110円)。トングになったり計量スプーンになったり、おろし機能がついていたりと、これ1つで10通りの使い方ができます。

ダイソー「多機能トング」(税込110円)

Amazonのデバイス「Echo Show 8」(税込1万4980円)もスペパの良いグッズといえるでしょう。 Amazon Musicでは1億曲以上の音楽を聴くことができますし、朝は目覚まし時計に、調理中には話しかけるだけでキッチンタイマーになって時間をセットしてくれます。 他にも、天気予報やニュースを教えてくれたり、買い物メモを記録してくれたり、写真を登録すればアルバムの役割も果たしてくれたりします。別の部屋にも置いておけば通話することだって可能です。このデバイス1つでいくつものアイテムの役割を担ってくれる、スペパの良いものです。コスパが良いともいえますね。

多機能なAmazon Echo Show 8 

使わないときはコンパクトになるものを使ってスペパを高める

使うときだけ大きくなり、使わないときはコンパクトにして収納できるものも、スペパが良いグッズといえます。

グラフィコ「つけおきバッグ」

洗濯などのつけ置きをしたいとき、たらいやバケツを使う方も多いかと思いますが、どうしても場所を取ります。「オキシクリーン」で有名なグラフィコから発売されている「酸素系漂白剤用漬けおきバッグ」(税込1718円)なら、使っていないときは平たくして収納することが可能です。

防災グッズとして備えているウォータータンク

断水になったときなどの備えになるウォータータンクも折りたたみタイプがあります。日頃から使うものではないので、薄い状態にしてスペパ良く収納しておきたいものです。ただし、折りたたみ式のものは経年劣化のおそれもあるので、耐用年数を確認し買い替える必要があります。

デジタル化でそもそもスペースを不要にする

家電などの取扱説明書は場所を取るものです。家電は壊れてなくなっているのに取扱説明書だけいつまでも残ってしまっているというご家庭も多いでしょう。取扱説明書こそデジタル化してスペパ良くするのがおすすめです。

スマホアプリ「トリセツ」

アプリ「トリセツ」はiOS版もAndroid版もあり、製品の型番を入力したり製品についているバーコードを読み込んだりすることで、取扱説明書など、その製品の情報が登録されます。驚くほどに古い家電でも情報があるのも驚きです。圧倒的なスぺパ向上アイテムでしょう。 また、スマホやタブレットなら小さい文字もピンチアウトすることで大きくできるので見やすいという点でもおすすめです。

モバイルスキャナ「ScanSnap  iX 100」

同様にお子さまの学校からの連絡事項や、地域の連絡事項ほか、紙で配られたものはスキャナで読み込んでおくことでスぺパ良く管理できます。家族共通のクラウドなどに保存しておけば、いつでも確認することができます。 筆者はドキュメントスキャナやモバイルスキャナを愛用していますが、最近ではスマホで画像を撮りPDFなどに変換して保存できるアプリもあります。 日頃使うアイテムや、空間の使い方でスペパの良い暮らしは誰でもできるようになります。ぜひトライしてみてください。 (文:矢野 きくの(節約ガイド))

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