【インドネシア】串かつだるま、首都にFC1号店オープン[サービス]

串かつだるまジャカルタ1号店のオープニング式典でテープカットする一門会の藪口常務(右)、フューチャーワークスの中村社長(中央)ら関係者=18日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)

大阪の串カツ店チェーン「串かつだるま」が18日、インドネシアの首都ジャカルタにフランチャイズ(FC)1号店をグランドオープンした。ほとんどの食材の調達先をインドネシア国内で確保し、日本の店舗よりも価格を抑えつつ本場と変わらない味を実現した。

1号店は、南ジャカルタの商業施設「プラザ・フェスティバル」に設けた。「串かつ」メニューは20種類以上。インドネシア限定メニューとして、大豆の発酵食品「テンペ」と「バクソ(肉団子)」「カレーチキン」を提供するほか、日本では一部店舗でしか扱っていない「チョコバナナ」も用意した。

単品メニューは1本8,000~1万5,000ルピア(約78~146円)。セットメニューは8本入りが11万ルピア、6本入りが9万ルピア、4本入りが7万ルピア。豚肉メニューはないが、ビールは提供する。酒類の持ち込みも有料(20万ルピア~)で可能。

日本の店舗では新型コロナウイルス禍を機に別売りし始めた「二度漬け禁止ソース」(左)は、初日は無料で来客1組ごとに1つずつ提供した=18日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)

味の決め手となる、薄力粉や山芋などを混ぜて作る衣の材料「バッター液」は、串かつだるまの日本の店舗で使用しているものと同じ材料をインドネシア国内で調達した。串かつだるまの秘伝のソース「二度漬け禁止ソース」も現地で原料を調達したが、日本の味よりも酸味を抑えた。

フランチャイズ店舗の運営は、インドネシアとタイに進出する日系企業向けに会計・税務コンサルサービスを提供するフューチャーワークス(東京都千代田区)の全額出資子会社が手がける。フューチャーワークスの中村正英社長は1号店オープンに向け、日本の串かつだるまの店舗で半年間修行した。ジャカルタでも店内での接客だけでなく「いざとなれば自分が調理場に立つ覚悟はできている」と語った。年内にはもう1店舗の開業を目指す。

串かつだるまの運営会社、一門会(大阪市浪速区)はかつて、海外では数カ国に展開していた時期もあったが新型コロナウイルス感染症拡大の影響で撤退した。同社の川端清昭執行役員はNNAに対し、「ジャカルタ1号店が新たなスタートになる。成功させるために全面的に協力する」と話した。

日本の串かつだるまの店舗では従業員の約半数を外国人が占めており、今年は「特定技能」の枠組みでインドネシア人社員3人を採用した。一門会の藪口征平常務取締役は「彼らが将来インドネシアに戻った際に、だるまの店舗が雇用の受け皿になることも視野に入れている」と述べ、「将来の店舗展開を支える存在になってもらえれば」と期待を示した。

営業時間は午前10時から翌午前0時まで。中村氏は「近隣には夜遅くまで営業している飲食店が少ない。日本人の方にもぜひ足を運んでほしい」と語った。6月にはデリバリーサービスも開始する予定。

串かつだるまジャカルタ1号店の店内の様子=18日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)

© 株式会社NNA