【韓国】アシアナが赤字転落、営業費用の増大で[運輸]

韓国フルサービスキャリア(FSC)のアシアナ航空が16日発表した2024年1~3月期の単体決算(暫定値)で、本業のもうけを示す営業損益は312億ウォン(約35億8,800万円)の赤字と、前年同期(925億ウォン黒字)から赤字転落した。

輸送量の増加などにより営業費用が増大したことや、米ドル高・ウォン安により収益性が悪化した。とりわけ航空機の整備など外注修理費用は1,383億ウォンと57.4%増加。燃料油類費(12.2%増)や運航費用(32.7%増)なども増えた。

売上高は前年同期比12.1%増の1兆6,330億ウォンと、同期ベースで過去最大を更新した。当期純損失は1,744億ウォンで、赤字幅が拡大した。

売上高を事業別に見ると、旅客事業は日本や東南アジア、オーストラリア(不定期)路線の拡大などにより26.3%増の1兆937億ウォンを計上した。貨物事業は12.4%減の3,524億ウォンにとどまった。新型コロナウイルス禍の収束以降、旅客機運航の本格的な拡大に伴い、旅客機の貨物スペースの供給が増えて競争が激化したことが要因。

■長距離・中国路線の拡大に注力

アシアナ航空は今年、欧米など長距離路線と中国路線を拡大して業績改善を狙う。貨物事業では中国からの電子商取引(EC)貨物や果物などの貨物を集中的に誘致する計画だ。

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