能登牛食べて元気に 輪島・町野で「肉フェス」800人笑顔

能登牛のステーキを求めて列をつくる住民=輪島市町野町粟蔵

 能登半島地震で大きな被害を受けた輪島市町野地区各地で19日、住民を元気づける取り組みが行われた。地元の若者たちは、被災した住民に能登牛のステーキなど約750食分を振る舞い、小松市のグループは町野の農家と協力して新たな「オーナー田」制度を始め、支援を続けることを約束した。

 「肉フェス」は町野地区の30~50代の住民でつくる「町野復興プロジェクト実行委員会」が初めて開催した。町野町粟蔵の粟倉医院前の会場には、住民ら約800人が列をつくり、その場で焼かれ、厚さ3センチにカットされた能登牛のステーキをはじめ、牛バラや豚バラ、ソーセージなどのバーベキューに舌鼓を打った。

 金沢市の食肉卸「サニーサイド」が能登牛のステーキ用肉250食分の提供を申し出たことをきっかけに、肉フェスを企画。このほかにバーベキュー用の肉約500食分を用意した。午後0時半からの振る舞いは、1時間ほどで食材が無くなる盛況となった。

 地元の飲食店や被災地で支援を続けるNPO団体は、ドリンクやかき氷などを提供した。ステーキを頰張った町野町粟蔵の自営業前隆雄さん(58)は「びっくりするくらい肉が柔らかくておいしい」と喜んだ。

 実行委員会代表の山下祐介さん(38)は「来場者が楽しそうに食事をしている姿を見て安心した。町野の復興へのきっかけになってくれたらうれしい」と話した。

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