イラン大統領、ヘリ墜落で死亡 63歳、外相も死亡

19日、イラン北西部の東アゼルバイジャン州とアゼルバイジャンとの国境地帯のダムを訪れたイランのライシ大統領(手前)(ロイター=共同)

 【テヘラン共同】イランのイブラヒム・ライシ大統領(63)を乗せたヘリコプターが19日、イラン北西部の東アゼルバイジャン州の山中で墜落、国営メディアは20日、ライシ師が死亡したと報じた。同乗していたアブドラヒアン外相も死亡した。

 パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続く中、イスラエルと対立するイランの指導者が突然死亡し、中東情勢は一層混迷する恐れがある。ライシ師は最高指導者ハメネイ師(84)の後継となる3代目最高指導者の最有力候補と目されており、国内政治にも影響を与えるのは必至だ。

 ライシ師は保守強硬派の元検事。ハメネイ師に忠誠を尽くすことで頭角を現したとされ、司法府代表を経て2021年の大統領選で勝利した。

 ライシ師は19日、東アゼルバイジャン州とアゼルバイジャンの国境付近で同国のアリエフ大統領と共に、共同開発ダムの式典に出席した。この後、3機編隊で飛び立ち、30分後に連絡が取れなくなったという。

19日、イランとアゼルバイジャン国境近くを飛び立つライシ大統領を乗せたヘリコプター(ロイター=共同)
イランのライシ大統領(タス=共同)

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